2023 Fiscal Year Research-status Report
縦断データを用いた乳幼児教育の効果検証-子どもの概念形成と自己表現の観点から-
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23K02234
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Research Institution | Shimonoseki City University |
Principal Investigator |
小原 愛子 下関市立大学, 教養教職機構, 准教授 (00783218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 麻美子 下関市立大学, 教養教職機構, 准教授 (60899714)
韓 昌完 下関市立大学, 経済学研究科, 教授 (90599622)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 乳幼児教育 / 物的環境整備 / 人的環境整備 / 概念形成 / 社会情動的スキル / CRAYON BOOK |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、入園時から卒園するまでの子どもの概念形成や自己表現がどのように伸びたか、園の環境や大人の教育的関わりがどのように影響したかなど、教育成果についてCRAYON BOOKという尺度を用いて明らかにすることを目的としている。 本年度は、これまで収集した保育園でのデータを分析することで、①保育園の環境や大人の関わりが1~2歳児の概念形成に与える影響要因を明らかにすること、②大人の関わりが社会情動的スキル向上と概念形成にどのように影響を与えるかについてその特徴と関係性について明らかにすることの2点を行った。 保育園環境や大人の関わりが1~2歳児の概念形成に影響を与える要因としては、CRAYONBOOKの点数データ及び保育士へのインタビューの量的・質的側面からのデータをもとに検討を行い、保育園の環境設定のみでは子どもの概念形成に影響を与えず、環境設定とともに、重回帰分析やパス解析を行った結果、大人が教育的な関わり(理解の促し方、子どもへ関わり方の工夫、情報の伝え方)がなければ、概念形成に影響しないということが明らかになった。このことから、物的・人的環境整備の両面が必要であることがわかった。また、保育士が具体的にどのような関わりを行ったかについてもインビュー調査により明らかになり、特に物的環境設定を工夫することで、子どもの変化が見え概念形成が伸びたという意見が多く、物的環境整備の重要性が明らかになった。また、子どもの社会情動的スキルを向上させる大人の関わりの特徴については、子どもの理解を促す関わりは社会情動的スキルに関連する思考や態度、姿勢の土台となる知識や経験の獲得を促し、子どもの納得を促す関わりは獲得した社会情動的スキルを子どもに安心して活用させることを促すことが特徴として示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた後ろ向きデータの分析を行い、保育園の環境や大人の関わりが1~2歳児の概念形成に与える影響要因について明らかにできたことや、それらの研究の中で、今後の研究でも行う保育士インタビューのインタビュー内容ができたことが理由となる。また、大人の関わりが社会情動的スキル向上と概念形成にどのように影響を与えるかについてその特徴と関係性について明らかにすることができた。今年度予定していたデータ収集においても、保育園1か所でデータ収集が行えた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定では、これまで蓄積されたデータを後ろ向きコホートとして縦断的に分析する予定だったが、本年度までに収集したデータ数が少なく、縦断分析の統計解析のアプローチを用いることが難しかった。4年間の研究期間の中で、データ数を増やし縦断分析としての統計アプローチが行えるようにデータ収集をしていきたい。
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Causes of Carryover |
学会や研究依頼をするために旅費を計上していたが、学会がオンラインで参加可能であったことや、研究依頼もすでに内諾をいただいた場所であったため、旅費に多くかからなかったことから、次年度使用額が生じた。学会などはオンラインが少なくなっているため、来年度は、旅費等で使用していきたい。
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