2023 Fiscal Year Research-status Report
養育行動の随伴性の感受性向上に着目したペアレント・トレーニングプログラムの開発
Project/Area Number |
23K02260
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
野崎 健太郎 埼玉医科大学, 医学部, 助教 (70598573)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ペアレント・トレーニング / 認知行動療法 / 随伴性の感受性 / 機能 / 自閉スペクトラム症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究において、自閉スペクトラム症児の保護者を対象とした、新たなペアレント・トレーニングプログラムの開発とその有効性の検討を行っている。従来は、保護者の養育行動によって子どもがどのような反応を示し、それを保護者がどのように知覚し理解するかという相互作用的観点で、保護者の養育行動を捉えたプログラムが少なかったと考えられる。すなわち、保護者の養育行動獲得にのみ重きが置かれているため、たとえ多様な養育行動のレパートリーを保護者が獲得したとしても、その獲得した養育行動が子どもに対して機能的であるかまでは言及することはできない。養育行動のレパートリーが増えることと、それが子どもの不適応行動の減少に有効であるかどうかは区別して議論すべきである。また、プログラムの介入効果がプログラム実施直後の限定的な場面にとどまることが多く、介入効果の般化の問題も考慮する必要がある。ペアレント・トレーニングの訓練場面で保護者が獲得した養育行動が、実際の子育て場面ではうまく機能されていないことが多いと思われる。 そこで本研究では、2023年度は認知行動療法が重視する行動の「機能」、すなわち行動の目的ないし意図という観点から、親子双方向的な行動の随伴性を鑑みたプログラムの構想を立て、実際のペアレント・トレーニング時に使用するワークブックおよびワークシートの作成を行っている。親子の相互作用の中で生じる、親子双方の行動に関する随伴性の的確でスムーズな理解の促進、つまり随伴性の感受性を高める手続きをプログラムの構成要素に含めることによって、保護者の養育行動の選択および遂行が容易になることを狙う。具体的には、保護者の働きかけの結果として子どもがどのように反応を示したかを整理し、保護者の行動とその結果とのつながりを適切に知覚する保護者のモニタリングスキルを向上させ、機能的な養育行動の獲得を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の2023年度の計画としては、ペアレント・トレーニングで使用されるワークブックおよびワークシートの作成を完了させ、実際に保護者にそれらの有用性について評価を求めることとなっていた。現在、資料が効果的であるための内容調整を行っており、保護者による評価にまで至っていない状況である。そのため、当初計画に比べて研究の進捗はやや遅れていると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
まずはワークブックおよびワークシートの作成をすみやかに完了させた上で、実際に保護者にそれらの有用性について評価を求める。これにより、資料の信頼性を確保する。これを踏まえ、作成されたワークブックおよびワークシートを用いて、個別実施および集団実施におけるペアレント・トレーニングの有効性について検討を行うこととする。ペアレント・トレーニングには個別実施形態、集団実施形態があり、実施形態によりペアレント・トレーニングの有効性が異なる可能性も考えられるからである。目標対象人数は10名程度とする。効果評価はペアレント・トレーニング実施前、ペアレント・トレーニング実施後、ペアレント・トレーニング実施3ヶ月後にて行われ、1群事前事後テストデザインにて効果を検証する。
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Causes of Carryover |
研究資料の作成が完了されていなかったため、それに対する保護者の評価データ収集が当初の計画通りに進んでおらず、その影響もあり次年度使用額が生じてしまっている。次年度の使用計画として、2023年度実施予定であった分も含めて、ペアレント・トレーニング実施に関連する経費、たとえば研究資料準備および整理のための謝金、収集したデータ入力の際の謝金、研究成果等の発表に伴う国内外旅費、調査用紙の印刷費、各種消耗品等に使用する予定である。
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Research Products
(4 results)