2023 Fiscal Year Research-status Report
訪問看護師と保育所看護師による慢性疾病児の包括支援プログラム開発
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23K02277
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Research Institution | Shikoku University |
Principal Investigator |
鈴木 智子 四国大学, 看護学部, 准教授 (60518067)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 光恵 四国大学, 看護学部, 講師 (20762412)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 保育所看護師 / 訪問看護師 / 小児慢性疾患 / 包括支援 / 医療保育専門士 |
Outline of Annual Research Achievements |
2015年児童福祉法の改正後、慢性疾病児とその家族が就学前の社会生活において病気の有無にかかわらず家族に頼ることない保育の実現を目指している。そのため、本研究では小児慢性特定疾病児にかかわる保健所保健師、保育所看護師、訪問看護師、保育士、医療保育専門士、主治医との多職種連携が密となり地域包括支援ネットワークを構築することを最終目標としている。今年度は保育所看護師と連携をとっている多職種に着目して多職種の認知度をその職種を目指している学生を対象として調査した。 A大学児童学科2年生の保育士養成課程科目を大学病院小児病棟所属の医療保育専門士に役割と実際に関する講義を依頼した。本授業は保育における日常の健康管理、子どもの体調不良時の保健的対応が主な概要であった。調査参加の同意は自由であると口頭で説明し、匿名にてGoogleアンケート回答をもって同意を得たとみなした。集計は単純集計とした。その結果、講義に参加した学生48名のうち、調査の回答は34名(70.8%)から得た。医療保育専門士の仕事の認知について、授業前は、わからないは24名、ややわかる10名であったが、授業後はややわかった16名、よくわかった17名と仕事への認知者数は増えた。学びの達成度の自己評価結果は、医療保育士の活動の現状、病気の子どもが楽しめる遊び、子どもに応じたかかわり、保護者へのかかわり、親子のニーズ、安心してすごすための環境づくり、病気の子どもへの保育実践と7項目すべてにおいてそう思う、大変そう思うと自己評価していた。授業内容の評価に関しては、学習目標が明確、授業内容がよく計画されていた、授業学習量が適切、医療保育士への興味について4項目すべてにおいてそう思うと回答を得た。慢性疾患児を支える医療の多職種連携のために必要な職種の役割をこれからの学生が理解することに貢献できたと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
就学前の時期を支える保育士との連携は小児慢性疾患を抱える子どもと家族にとって重要な職種と考える。しかしながら、身体的疾患を理解した保育を実践するには専門職種(医療保育専門士)の存在や役割を知ることが重要となる。その点おいて、今年度は貢献できたと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
小児慢性疾患を抱える子どもとその家族が制限されない社会生活を営むためにも、保育士と保育所看護師の連携、保育所看護師と訪問看護師の連携を密にとれる包括支援システムの構築を図るための調査研究を実施していく予定である。 第1段階:2023年度実施した多職種理解へ向けた授業の効果を今後も広く伝える 第2段階:小児慢性疾病を有する子どもの保護者を対象にして家族機能を評価する 第3段階:その家族を対象として社会生活の困難感を課題ととらえ解消できるよう保育所看護師と訪問看護師の連携策を探っていくことが対応策と考える。
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Causes of Carryover |
予定していた国際学会発表が隔年開催であり、2023年度は該当しなかったことが大きな要因であるため、2024年度は計画実施する。
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