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2023 Fiscal Year Research-status Report

一般就労と福祉的支援の狭間にある少年院在院者へのシームレス認知プログラムの有効性

Research Project

Project/Area Number 23K02281
Research InstitutionHiroshima University

Principal Investigator

宮口 英樹  広島大学, 医系科学研究科(保), 教授 (00290552)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 宮口 幸治  立命館大学, 総合心理学部, 教授 (20706676)
石附 智奈美  広島大学, 医系科学研究科(保), 講師 (50326435)
Project Period (FY) 2023-04-01 – 2026-03-31
Keywords境界知能 / コグトレ / 発達障害
Outline of Annual Research Achievements

本研究は, 発達障害等の傾向を示す者(境界知能者)を対象に,特別な支援が必要であるとされるが,就労に向けてどのような介入方法がどの程度効果的かについて集団から個別に繋ぐ就労支援を目標とした体系的プログラムの開発検証を行うものである。令和5年度は、1)境界知能者の就労における課題の構造化、2)少年院等で施行され一定の効果が得られている認知機能強化トレーニングおよび認知作業トレーニング,認知社会トレーニングの課題を活用・改良し、3)新たな認知トレーニングの検討を行った。
予備的研究介入の結果、介入後3か月、6か月の時点でも物語を記憶する論理的即時記憶課題では、有意な点数の改善が認められたこと、視覚記銘であるレイの複雑図形では即時記銘課題で介入後3か月後には有意な得点の向上は認められなかったものの、ベースラインから6か月後には有意な得点の向上が認められた。このことから、言語情報をストーリーとしてエンコードするプロセスが、視覚情報を取り込むプロセスに有効に作用する可能性が明らかになった。
今年度は、上記に加えてシームレスな社会復帰・就労支援を体系化するために、コグトレを用いたアセスメントをPC上で使用できるようにソフト化する開発を行った。このソフトには、小学6年生から中学2年生程度のコグトレ課題の成績を標準値として活用できるようになっている。令和6年度は開発したソフトを全国の複数の少年矯正施設で活用に繋がる研究を継続する。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

やや遅れているとした理由は、研究代表者が令和5年前期に研究を中断せざるを得ない状況が生じたためである。そのため、少年院での研究スタートが遅れたことが大きな原因である。しかしながら、ソフトウェアの開発は、順調に進んでおり、次年度への影響はない。

Strategy for Future Research Activity

新たな認知プログラムの開発・試行と効果検証が次年度の主な方向である。
1)COGET,COGOT,COGST を利用した最適プログラムの策定
令和5年度に得られた対象者の認知運動社会特性結果と新たに課題を反映し検討を行ったトレーニングを開発し,対象者が個別実施可能な最適なトレーニングの組み合わせを含めた試行プログラムを作成し,効果検証を行いながら少年院にて予備的試行を行う。プログラムは少年院の法務教官の負担度,時間的制約などを考慮し,トレーニングの頻度,1 回の施行時間,内容等を検討する。プログラムの作成には申請者,研究分担者,研究協力者に加え,広島県内の就労支援,就労移行支援事業所の作業療法士等にも意見をもらいながら進める。この目的達成のための打ち合わせは、すでに準備を進めている。
2)IT機器の活用を目的とした個別トレーニングシステム開発
1)で行った効果の検証結果をもとにプログラム修正を行うとともに,個別トレーニングを目的としたIT機器の活用を目的としたシステムの開発を検討する。この目的の達成のためにすでにソフトウェアの第一次段階の開発は終了している。令和6年度は、具体的な運用について検証する。

Causes of Carryover

令和5年3月から6月まで研究代表者に研究を中断せざるを得ない状況が生じたため、予定していた少年院での新たなプログラムの試行が次年度にわたって実施されるように計画を変更したため次年度使用額が生じた。次年度使用額には、次年度実施する検査用具類の購入およびプログラム実施にかかる旅費が含まれている。次年度プログラム試行は、研究協力者への研修会、データ収集の方法を含めておおよそ6月より開始する準備を行っている。その他アセスメント用ソフト開発にかかる研究は令和5年度より引き続き行っており次年度も進捗に問題はない。ソフトウェアの活用には、全国7か所の少年矯正施設での活用を計画中である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2024 2023

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 少年院在院者の感覚特性の違いによるDN-CASの関連ーコグトレプログラムの前後変化量比較ー2024

    • Author(s)
      木下亮平、石附智奈美、宮口英樹
    • Journal Title

      コグトレ研究

      Volume: 4 Pages: 4-11

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 触法障害者等への支援を考える2023

    • Author(s)
      宮口英樹
    • Organizer
      第57回日本作業療法学会

URL: 

Published: 2024-12-25  

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