2023 Fiscal Year Research-status Report
「学びのサイクル」に基づく幼保小接続カリキュラムの開発プロセスの構築
Project/Area Number |
23K02307
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
岸野 麻衣 福井大学, 学術研究院教育・人文社会系部門(教員養成), 准教授 (80452126)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 伸子 新潟大学, 人文社会科学系, 教授 (40293188)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 幼保小接続 / カリキュラム開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
今日,幼児教育と小学校教育において円滑な接続が求められている。本研究では,保育者・教師が協働で幼稚園・保育所・認定こども園等の5歳児クラスから小学校1年生までの連続するカリキュラムを開発することに向けて,子どもの学びや育ちがつながって発展していく様子を表す「学びのサイクル」として可視化し,保育者・教師が互いにつながりを意識してカリキュラムを開発していくプロセスを構築することを目的に研究を進めた。 本研究では幼保小の接続の推進状況が異なる4つのフィールドを設定している。すでに幼小での協働が進んでいる地区,これから推進していく地区,それらの中間の地区である。一年次は,4つの地区において子どもの学びのサイクルを検討した。また,すでに幼小での協働が進んでいる地区とやや進んでいる地区において,保育・授業の再構成のプロセスの吟味を行った。 研究の結果,まず学びのサイクルの検討においては,4地区とも園での子どもの学びについて,エピソードやストーリーで表現され,そこでの育ちや学びのサイクルが小学校でもつながっていることが明らかとなった。特にスタート期の子どもたちの活動や生活科の活動にはそれが見えやすいが,教科の学習においては難しさも明らかとなった。 また保育・授業の再構成のプロセスにおいては,教師・保育者が協働で実践をデザインしたり省察したりする場が重要であり,子どもの学びの筋で活動を再構成する展開が明らかになった。また教師・保育者それぞれ自己の変容を省察する語りには,そこには子ども観や教育観の転換と,さまざまな葛藤も表現され,それが実践を問い直し続けることに重要な役割を果たすことも明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各調査フィールドにおいて,データ収集を着実に重ね,1年次に目指していた計画を実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2年次も引き続き各フィールドでデータ収集を継続し,子どもの学びのサイクルを検討していく。さらに,まだあまり接続が推進されていない地区等についても,①保育・授業の再構成に関する協議会・研究会への参与観察,②教師・保育者による振り返りの記録の収集,③教師・保育者へのインタビュー調査を行い,保育・授業の再構成のプロセスの吟味を行う。さらに,接続の推進が進んでいる地区等においては,①保育・授業の観察調査,②カリキュラムに関する協議会・研究会への参与観察,③保育者・教師による実践記録の収集,④保育者・教師へのインタビュー調査を行い,カリキュラムの具現化と継承・持続発展についての検証に入っていく予定である。
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Causes of Carryover |
研究協力者として幼保小の実践者に謝金を予定していたが,受け取りを辞退されたことで,使用予定がなくなった。翌年度も同様のことが想定されるため,その分は,学会での研究交流の場へ研究協力者も参画してもらう旅費や会費,また,研究に関する情報収集や中間発表をより活発に行うための旅費として使用する予定である。
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Research Products
(2 results)