2023 Fiscal Year Research-status Report
早産児・低出生体重児用の母子健康手帳は育児困難感の軽減効果はあるのか?
Project/Area Number |
23K02331
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Research Institution | Kanagawa Children's Medical Center (Clinical Research Institute) |
Principal Investigator |
野口 恵 (宮城恵) 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター(臨床研究所), 臨床研究所, 医師 (40972782)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 温 東海大学, 医学部, 教授 (00304262)
豊島 勝昭 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター(臨床研究所), 臨床研究所, 部長 (50307542)
盛一 享徳 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, その他, 室長 (50374418)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 低出生体重児 / 早産児 / 育児困難感 / リトルベビーハンドブック / アンケート調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
わが国では出生体重が2500g未満の低出生体重児の割合が約1割に達しているが低出生体重児の家族が抱える育児の困難感について明らかにした大規模な研究は未だない。そのため令和4(2022)年6月に低出生体重児の家族が感じている育児の困難感や低出生体重児用の手帳の必要性、その活用方法について神奈川県電子申請システムを用いて全国アンケート調査を行い2954名の回答を得た。その中で出生体重が1500g以上2500g未満、特に入院適応とはならない低出生体重児の家族は就園前までの育児で困ったことの相談相手として「小児科開業医」に次いで「家族以外に相談相手がいなかった」という回答が多かった。この結果から低出生体重児の家族は病院でのフォローアップも少なく、支援や相談先が分からず不安を抱えることが明らかとなり、令和5年7月に第59回日本周産期・新生児医学会学術集会において「1500g以上2500g未満の低出生体重児家族の育児において必要とされる支援とは何か」として口頭発表を行った。またこのアンケート調査結果について出生体重別に更なる詳細な解析を行っており、解析結果をまとめ令和6年度中の論文投稿を行う。 さらに発達が遅れることがある早産児・低出生体重児にとって、月齢毎に発達を評価する母子手帳は使い難さだけでなく母親の心理的な負担につながっていることが知られており、神奈川県庁を中心に早産児・低出生体重児用の母子手帳を作成し令和5年4月より手帳の配布を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目標として令和5年度は全国の低出生体重児の家族に対するアンケート調査結果の解析と、また早産・低出生体重児用の健康手帳の作成を行うことであり、令和5年4月には配布を開始できたことからその目標は概ね達成できている。さらにアンケート調査結果の論文発表のため準備を行っているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
全国に低出生体重児の育児困難感の現状について認識を持ってもらうよう、令和6年度にアンケート調査結果の論文発表を行う。また低出生体重児用の健康手帳について配布を行い、使用後調査としてアンケート回収を行っていき結果をまとめる。令和7年度にはこの手帳の更なる発展につなげるよう、学会発表、論文発表を行う。
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Causes of Carryover |
アンケート調査解析をパソコンや解析ソフトについて主に持ち出しで行ったため、必要経費が生じずに次年度使用額が生じた。今年度は更なる解析のためソフトの購入や論文作成の必要経費として請求をする予定である。
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