2023 Fiscal Year Research-status Report
Research on Visualization and Support of "Two Inquiries of Career and Social Issues" in the period for integrated studies
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23K02352
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Research Institution | Kyoto Tachibana University |
Principal Investigator |
乾 明紀 京都橘大学, 経済学部, 教授 (80571033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉岡 秀紀 福知山公立大学, 地域経営学部, 准教授 (10631442)
土元 哲平 中京大学, 心理学部, 任期制講師 (10897622)
佐藤 達哉 立命館大学, 総合心理学部, 教授 (90215806)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 探究学習 / 総合的な探究の時間 / キャリア発達 / 高大連携 / 文化心理学 / 転機 / 複線径路等至性アプローチ(TEA) / 関係学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、高校で実施される「総合的な探究の時間」などにおいて取り組まれる「キャリアと社会課題の2つの探究」を、生徒が社会と自らの未来を切り開くために「文化」を創り出すダイナミックな「文化的発達」のプロセスと仮定する。そのうえで、「総合的な探究の時間」などにおいて高校生が、他者とのチーム活動の中で、どのように社会的な問いを立て、どのように自らのキャリア展望を生成・発達させながら自己形成をおこなっているのかを明らかにし、学習論とキャリア発達論を融合させた探究活動支援のための新しい探究学習論の構築を試みることである。 研究初年度である本年は、主に次の2つの研究活動をおこなった。第1に高校生の「文化的発達」の過程を把握する研究法開発の試みである。具体的には、オープンシステムにおける個体と外界とのかかわりを、時間を捨象せず、個体の経験事象とそれを取り巻く社会的・文化的な諸力との関係モデルによって示す「複線径路等至性モデリング」(TEM)と、人の関係発展を「自己・もの・人」のかかわりによって捉える「関係学」との理論的融合(接在)による研究法開発である。この研究成果は、日本質的心理学会第20回大会やTEAと質的探究学会第2回大会などで報告し、さらなる精緻化に向けて検討をおこなった。 第2は高校で実践されている「キャリアと社会課題の2つの探究」の事例収集である。高校・高校生と社会(多様な他者や様々な「もの」など)とを媒介し、接在をファシリテーションするコーディネーターの役割にも着目しながら高校における「キャリアと社会課題の2つの探究」事例を調査した。この研究成果は、日本地域政策学会第22回全国研究大会や第21回高大連携教育フォーラムなどで報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
高校生の文化的発達過程の把握に関する当初の研究計画は、第1研究として参与観察と質問紙調査などを通じてチーム活動への理解を深め、社会課題に対する問いの生成過程を分析する。第2研究としてインタビュー等によりキャリア展望の生成過程を分析する。そして、第3研究として「キャリアと社会課題の2つの探究」のかかわりと発達を理論的に考察していくこととし、これらを段階的に研究していく予定であった。しかし、共同研究者が所属大学を異動したため、新たな生徒を対象とする第1および第2研究は計画どおり推進することができなかった。そこで、当初の予定をやや変更し、これまで実施してきた質問紙調査やインタビュー調査などのデータをもとに分析し、第3研究として予定していた理論的検討を先行しておこなった。 この研究の推進は概ね順調であるといえるが、新たな協力者に対するデータ収集と分析がやや遅れているため、この評価をした。
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Strategy for Future Research Activity |
高校生の「文化的発達」の過程把握に関する研究については、研究協力校などを対象に、生徒・教員・コーディネーターなどへの質問紙調査やインタビューを実施する。インタビューについては、初年度の研究成果をもとに作成したインタビューガイドなどに基づいて実施する。そして、収集したデータは、TEMと関係学を接在した新たな方法論などを用いて分析をおこなう。また、これまでに収集したデータの分析も含めて、関係学会、日本質的心理学会、TEAと質的探究学会、日本生活科・総合的学習教育学会の研究大会などで報告する。さらに、これらの学会が発行する学術雑誌や研究紀要などにおいて発表する。 「キャリアと社会課題の2つの探究」の事例収集は、学校側の工夫に着目しながらおこなっていく。そして、研究会などを開催して検討をおこない、学校側の工夫と生徒の相互作用を分析するための視点を得る。 こられの研究成果は、京都府教育委員会との連携により開発した探究学習の府立高校共通履修科目「スマートAP」、大学コンソーシアム京都の高大連携推進室コーディネーター、総務省主権者教育アドバイザー、学校運営協議会などの活動を通じて還元する。 そして、各校で実施される探究学習やキャリア教育の充実に貢献しつつ、実践と理論の往還を目指していく。
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Causes of Carryover |
差額が生じた理由の1つは、研究者のひとりが所属大学を異動したことに伴う研究の遅れである。具体的には、当初予定していたインタビュー調査が予定通り進まず、外部委託による文字起こしの予算が執行できなかった。 加えて、研究会に招聘した講師の謝礼が不要となったことや、学会の開催場所が研究者の所属大学やその近隣であったため、旅費の支出が当初予定より少額になったことも残高が生じた理由である。 これらの残高については、次年度にインタビュー内容の文字起こしを実施し、予定している学会参加や研究会を開催することで、執行予定である。
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[Book] カタログTEA2023
Author(s)
サトウタツヤ・安田裕子(監修)・土元哲平
Total Pages
112
Publisher
新曜社
ISBN
9784788517974
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[Book] Farewell to Variables2023
Author(s)
Jaan Valsiner(Editor), Tatsuya Sato, Yuko Yasuda, Misato kuyama, Daina Ishii, Ayae Kido, Yasuhiro Omi, and Yoshiyuki Watanabe
Total Pages
395
Publisher
Information Age Publishing