2023 Fiscal Year Research-status Report
単元内容に現れる定義・定理・証明の理解に直結した数学的モデリングの構成と実践
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23K02392
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
山中 仁 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (90725011)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 接弦定理 / 円周角の定理 / 数学的モデリング / 証明 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,単元内容の1つである接弦定理や円周角の定理の証明を現実事象に関する数学的モデリングを通して学ぶための教材を開発し,中学校第二学年の生徒を対象に授業実践を行った。先行研究でも,接弦定理や円周角の定理を探求的に取り扱うものはいくつか存在するが,それらは定理の発見にしか及んでいないものが多く,定理の証明の発見に寄与しているものは数少ない(より一般に,概念学習型数学的モデリングの研究自体が僅少である)。それゆえ,何かしらの探求活動を行った後,そこで発見された数学的事象を証明する段階ではまた別の方針のもとに別の活動が行われることが多く,定理の発見と証明の発見が分断される傾向があることが指摘できる。それ自身は必ずしも悪いことではないが,時間的な制約を考えても,定理の発見と証明の発見が1つの問題解決過程の中で実現されることが本研究課題においては重視される。
今年度開発した教材はその点をみたしたものになっており,中学校第二学年を対象とした実践授業においても,光の反射という理科における既習事項をもとに,生徒自らの手によって,接弦定理の発見やそれを証明するための補助線の創出され,それをもとに生徒が接弦定理の証明を発見し得ることが実証的に明らかになった。この実践結果を論文の形にまとめ、査読雑誌に投稿するとともに,その概要を2024年3月17-18日に大阪公立大学において行われた数学教育学会春季年会において発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の予定であった「授業実践」「論文執筆・論文投稿」「研究発表」を済ませることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
モデリングを通して,定理の発見だけでなく定理の証明の発見にまでたどり着くような授業を構成することが期間全体を通しての目標であるが,実践事例が僅少であるため,具体的な教材作成を行うだけでなく,実践事例を増やしていくことから始めていく必要がある。また,一般的にいって教材が難しくなりがちであるので,その点を解決する必要がある。
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Causes of Carryover |
5,053円の次年度執行額が生じたが,これは年度末の出張でかかった旅費に多少の変更があったことによるものである。次年度の書籍の購入に充てる予定である。
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