2023 Fiscal Year Research-status Report
相互作用主義的視座から見たICT活用を伴う証明の学習指導の意義と方法に関する研究
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23K02409
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
渡邊 慶子 (向井慶子) 滋賀大学, 教育学系, 准教授 (00572059)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 証明 / 中高接続 / 相互作用主義 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,数学的な構想力を「証明研究」の知見から特徴づけて,そのような能力を育むための中高数学科におけるICT活用を伴う「相互作用主義的証明活動(証明を生成し,証明のアイデアや証明の構造について他者と対話する活動)」の意義と方法を明らかにすることである。そのために,研究初年度(2023年度)は,研究活動の第一フェーズとして,数学教育学における証明活動に関わる学術的課題に取り組むこととし,特に「相互作用主義的証明活動」がいかなる活動なのかを定義して,活動を捉えるための枠組みを暫定的に構築することを目的とした。 2023年度の成果として,本研究では,学校数学における証明の学習指導に,G.H.ミードのシンボリック相互作用論の視座とその基盤にある「説明の語用論的意義」の視点に基づいて,数学授業の分析枠組みを設定した。特に,一つの定理に対して証明が多様にある状況に着目して,多様な証明が示され,比較され,関係づけられたり価値づけられたりする際の生徒たちと教師の相互作用を捉えた(渡邊・小山,2023)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は,理論基盤として「シンボリック相互作用論」を基軸にして,関連する認識論的視座を整理するとともに,証明の学習指導において記述的にも規範的にも利用可能な分析枠組みを設計することをねらいとしている。2023年度までで,心理学的な関連文献の読解と考察および援用を試みて,証明の学習指導における暫定的な分析枠組みを示すことはできていた(渡邊・小山,2022)。しかし,その他の関連する理論基盤をさらに整理して,より一層証明の学習指導にみられる相互作用を捉えられるように認識論的な基礎研究を積み重ねる必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,研究計画の通り,第二のフェーズ(「ICT活用」の意義を明確にするための課題に取り組む局面)に研究を進めるとともに,第一フェーズで残した「説明の語用論的意義」と「シンボリック相互作用論」に関する研究を一層整理して,相互作用主義的証明活動をより明確に定義するとともに,そのような活動を分析可能にする枠組みを確立する。
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Causes of Carryover |
予定していた国際学会の開催地がイスラエルであったため,国際情勢の悪化から,渡航を見合わせ,オンラインでの対応等(紙面発表)に切り替えたため。また,国内でも,実証研究を予定していたが,インフルエンザ感染の状況を鑑みて,実証研究の内容と日取りを変更したため。2024年度は,2つの国際学会に参加・発表するため,助成金の使用を予定している。
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