2023 Fiscal Year Research-status Report
協同性の芽生えと育ちに着目した音楽活動のプログラム開発-保幼小接続の視点から-
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23K02446
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Research Institution | Osaka Seikei University |
Principal Investigator |
岡林 典子 大阪成蹊大学, 教育学部, 特別招聘教授 (30331672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 恭子 京都教育大学, 教育学部, 教授 (00321191)
佐野 仁美 京都橘大学, 発達教育学部, 教授 (10531725)
坂井 康子 甲南女子大学, 人間科学部, 教授 (30425102)
神原 雅之 京都女子大学, 発達教育学部, 教授 (80123743)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 協同性 / 創造性 / 幼稚園 / 小学校 / ことば / 和楽器 / 芽生え |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、子どもの協同性の芽生えと育ちに着目して、保幼小接続の視点から音楽活動のプログラムを開発することである。本研究では2013年から2023年まで継続して取り組んできた幼稚園と小学校での実践研究の対象の年齢を広げ、「協同性の芽生え」の視点を加えて発展させることを目指している。 初年度である本年は、研究分担者の関係性を深めるためにZoom で数回の会議を行い、研究の概要と目的と初年度の計画について共有した。そして、その成果を「4歳児にみられる協同性の芽生えと育ち-和楽器探索の場面から-」(研究ノート)と「ことばからリズムを創り出すことについて-幼小の子どもたちによる実践の試みから-」(論文)にまとめた。 前者からは4歳児の和楽器探索活動における子ども同士の協同性が、「模倣」「同調」「言葉・動き・間の共有」などによって成立していることが明らかになった。また、後者からは、5歳児・1年生の子どもたちが瞬時に言葉のリズムを創り出したり、即興的な表現を協同的に練ることで勢いのある「となえうた」を生み出すことがわかった。それらの結果をふまえると、大人が計画した枠組みにことばや旋律を当てはめるのではなく、子どもに日本語の表現を委ねることによって、豊かな表現力や自発的な創造力の可能性が広がることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者と分担者との関係がスムーズに構築され、研究計画や論文執筆において役割分担が順調にできていると捉えている。行動分析システムの理解も深められている。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度の研究方法を継続しながら、2024年度はさらに対象年齢を下げ、4歳児、3歳児の協同性の芽生え、育ちをとらえていきたいと考えている。コロナ以降、子どもの観察が進められてこなかったので、2024年度は無理のない範囲で観察研究を進めようと思っている。
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Causes of Carryover |
(理由)申請当初に予定していた物品が安く購入できたことに加え、購入予定だった物品を次年度以降にしたため。 (研究計画)観察研究を進めるために必要な物品の購入に充てる予定である。
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