2023 Fiscal Year Research-status Report
養護教諭の緊急度・重症度判断を助けるAI技術を活用した判断支援システムの開発
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23K02462
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Research Institution | Yamaguchi Prefectural University |
Principal Investigator |
丹 佳子 山口県立大学, 看護栄養学部, 教授 (70326445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 真育 山口県立大学, 国際文化学部, 准教授 (50727948)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 養護教諭 / 保健室 / 緊急度・重症度判断 / AI技術 / 判断支援システム / 学校救急処置 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、一人配置が多い養護教諭の緊急度・重症度判断支援のための「AI技術を活用した判断支援システム」のプロトタイプを作成・試行し、実用性と課題を明らかにする。 2023年度は、判断支援システム構築の一環として、養護教諭の判断を支援する可能性がある2つの既存ツール(症状の緊急度を判定するWeb サイトと救急医療電話相談)の使用頻度、使用状況、利点、不便な点等について、現職養護教諭を対象に調査を行い、利用実態と課題を明らかにした。既存ツールの利用実態と課題が明らかになることで、現場の養護教諭のニーズを反映した判断支援システムを開発することができる。 A県内の小中高等学校の養護教諭約500名を対象にGoogleフォームを用いた無記名のアンケート調査を行った。調査期間は2024年1月~2月。223名から回答があり(回収率44.6%)、回答者の養護教諭経験年数は18.7±14.2年(平均±標準偏差)、勤務校校種は小学校105人(47.1%)、中学校68人(30.5%)、高等学校40人(17.9%)、特別支援学校9人(4.0%)、その他1人(0.4%)、養護教諭複数配置は27人(12.1%)であった。症状の緊急度を判定するWeb サイト(消防庁がインターネットで提供している救急受診ガイド「Q助」など(各自治体が提供している救急受診ガイドも含む))と救急医療電話相談(♯7119)の認知度はそれぞれ35.9%と87.9%であった。それぞれの使用頻度、使用状況、利点、不便な点は現在分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和5年度に予定した計画A-1:教師データ準備(問診票データ収集)とデータ前処理は行わなかった。教師データ収集の前に、養護教諭の判断を支援する可能性がある2つの既存ツールの課題を明確にする必要性が生じたため、課題を明らかにする質問紙調査を優先した。
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Strategy for Future Research Activity |
①令和5年度に実施した質問紙調査結果を分析する。 ②明らかになった養護教諭の判断を支援する可能性がある2つの既存ツールの利点と課題をふまえて、判断支援システム構築の方向性を明らかにする。 ③②に基づき、当初予定していた計画A-1を開始する。
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Causes of Carryover |
教師データ収集を行わず、実態調査を先行させたため、当初の予算を使用しなかった。実態調査は山口県教育委員会の協力を得ることができたため、大きな予算執行は生じず、次年度使用額が生じた次第である。
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