2023 Fiscal Year Research-status Report
Development and evaluation of training programs for students engaged in teaching assistants at universities
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23K02511
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
井上 史子 早稲田大学, 大学総合研究センター, 教授 (80589945)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 指導補助者 / 大学授業の改善 / パートナーシップ / プログラム開発 / 大学院生 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度である2023年度は次の3つの活動を行った。①海外の大学でのパートナーシップに関する訪問調査(メルボルン大学、オーストラリア)、②日本において大学院生を対象としたFDプログラムを展開する大学(沖縄科学技術大学院大学、Center for Professional Development and Inclusive Excellence、以下C-Hub)への訪問調査、③海外研究者と共同した教員と学生とのパートナーシップ(Student as Partners)に関する研究発表および論文投稿。 具体的には、①ではメルボルン大学において授業参観や教育改善を担当する Centre for the Study of Higher Education (CSHE)センター長への聞き取り調査、獣医学部で学生とのパートナーシップによるプロジェクトを運営する教員と学生への聞き取り調査等を行った。②ではC-Hubが運営する大学院生対象のプレFD研修を参観し、どのように研修が運営されているかを担当者に聞き取り調査を行った。③ではメルボルン大学が運営する「Students as Partners Roundtable 2023」(10月20日、オンライン開催)にて、メルボルン大学教員とともに『Comparing Student as Partners practice in Japanese and Australian Higher Education』をテーマに研究発表を行った。また、本研究に関する現在までの進捗状況についてInternational Journal for Student as partnersに『Comparing Students as Partners (SaP) in higher education in Japan and Australia』をテーマに共著論文を投稿した(現在、査読審査中)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時の計画では、国内外の大学への学生と教職員とのパートナーシップに関する訪問調査および国内外の学協会等での報告・発表を予定しており、それにもとづいてメルボルン大学への訪問調査、沖縄科学技術大学院大学への訪問調査を実施し、当該大学での学生と教職員とのパートナーシップの状況や、学生を対象とした研修プログラムへの参観などを行った。また、関連するラウンドテーブルでの研究発表および研究論文の投稿も行うことができたことから、本研究はおおむね順調に進展していると考える。 ただ、予定していた自大学でのTAやSAを活用した授業に関する実態把握についてはまだ実施できていないことから、次年度に実施することを目指したい。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、①2023年度に積み残した活動を行うとともに、当初の予定である②TAやSAを対象とした研修プログラムの開発および研修用デジタルコンテンツ等の制作、③研究の進捗状況について国内外の学協会等での報告・発表に取り組む予定である。 具体的には、①については、授業支援に従事する学生または将来大学教職員を目指す大学院生等を対象に、現在の活動状況や自身の能力開発への期待に関する質問紙調査および聞き取り調査を行うことを予定している。②については、プレFDプログラムとして大学院生等が受講できるオンデマンド教材の開発やコース設計に取り組む予定である。あわせて、前回訪問した沖縄科学技術大学院大学のプレFD研修を再度参観し、さらに具体的な研修内容や大学院生のプレFDプログラムへの関心等についての聞き取り調査を行う予定である。③については、今年度の大学教育学会年次大会(6月、関西国際大学)およびThe International Society for the Scholarship of teaching and Learning年次大会(申請中、10月、インディアナ大学、アメリカ)での報告発表を予定している。これらの報告発表をとおして国内外の高等教育研究者との幅広い意見交換を行うとともに、新たな知見等を得ることにより本研究の改善・展開を図ることを想定している
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Causes of Carryover |
2023年度に海外学会での研究発表を予定していたが、学内業務等により日程が合わなかったため、2024年度での発表に変更した。また、オーストラリアの大学への訪問調査を他の学内助成に関わる研究と並行して実施したため、旅費および学会参加費等に未使用分が生じた。また、学内での学生等に対する聞き取り調査も2024年度実施となったため、人件費・謝金に未使用分が生じたため。
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