2023 Fiscal Year Research-status Report
大学における研究所・研究組織の構造と機能に関する研究
Project/Area Number |
23K02521
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
阿曽沼 明裕 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 教授 (80261759)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
|
Keywords | 大学の研究機能 / 研究組織 / 研究所 / 教育と研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
社会において研究機能は大学外で拡大しているとはいえ、依然として大学が研究活動の重要な拠点であることから、研究機能は教育機能と隣接することに意義があり、それゆえに大学の研究機能は教育機能といかにバランスを保ち、いかに相互に貢献させることができるのかが課題であると考えられる。そうした認識から、本研究の目的は、大学における研究所・研究組織の構造と機能を、教育機能や基本組織(学部・研究科、デパートメント等)との関係から検討し、多様な研究所・研究組織の類型や、研究の組織化のパターンを探ることにある。 本年度は、第一に、大学等の研究組織に関わる文献や資料を収集し、研究組織とは何か、また基本組織(学部・研究科、デパートメント等)との距離や関係について、その多様な捉え方を検討した。第二に、日本の大学の研究所・研究組織に関する歴史的な文献や資料を整理し、研究所・研究センターの発展や構造的な変容について検討した。戦後の教室・研究室の民主化、共同利用研究所問題、大学の自治と附置研問題、大規模研究所の大学からの離脱、大学紛争時の講座制批判、筑波大学の新組織体制、教育と研究の組織的な機能分離、研究組織の流動化、研究所と大学院生問題など、多様な観点からの研究組織の問題について整理した。また、戦後の1990年頃までの国立大学の研究所・研究センターの発展を講座組織との関係からたどる分析を、以前行ったが、それ以後についても検討を行い、とくに今世紀に入って学術政策・行政の変化や国立大学の法人化、大学の経営強化などを背景に、大学の研究組織の多様化が進むとともに、基本組織との接近がみられることが分かった。第三に、東大などを事例に、ウェブサイトの情報などから、現在の大学の研究組織の多様化についても整理を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
一昨年度末から長期に体調を壊しため、業務を普通にこなすことができず、研究時間を充分にとることができなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度は、当初の計画に近づくように、本研究課題にも時間を注ぐ予定である。
|
Causes of Carryover |
当該年度には研究の実施が遅れ、当該年度に予定していた支出ができなかった。次年度には、当該年度に支出できなかった、資料やデータの入手及びその整理のための費用、国内出張費旅費などに支出を予定している。
|