2023 Fiscal Year Research-status Report
Examination and validation of evaluation indicators for interdisciplinary research
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23K02543
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 亮 東北大学, 理学研究科, 特任准教授 (40548228)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 学際研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
学術研究の分野間の「親和性」を測る新しい概念を提案した。近年、学際的研究の重要性がますます強調されている中で研究論文の学際性の程度は、引用文献の書誌情報を用いて判断することができる。しかし、各分野と他分野との「親和性」の特性についてはまだ議論されていない。そこで我々は、引用・抄録データベースScopusの学術雑誌データを用いて、27の研究分野間の親和性を定量化する手法を採用した。その結果、分野間の親和性は注目分野に対する他分野からの親和性と、注目分野から他分野への親和性という2つの観点から捉えるべきであることを提案した。その結果、「人文科学」と「社会科学」、「地球惑星科学」と「環境科学」が、双方向の親和性が高い分野であることを明らかにした。また、「医学」との親和性が特に高い7つの分野を明らかにした。それらは、 「生化学・遺伝学・分子生物学」、「免疫学・微生物学」、「神経科学」、「薬理学・毒物学・薬剤学」、「看護学」、「歯科学」、「保健医療専門職」である。 親和性は、引用関係等から算出される指標において重み付けの役割を果たす。そして、そこから導かれる学際的研究の度合いの議論は、より現在の分野間の関係を反映したものになる。研究者の活動(被引用等)による類似度を論じる場合、ジャーナルの分野分布を反映した類似度を論じる場合、ジャーナルの分野分布を最も強く反映する類似度を論じる場合に、それぞれ適切な類似度の定義も提示した。したがって、今後、分析者の意図に応じて分析手法を使い分けることが可能となる。また、親和性の双方向性を反映させることで、これまで一方向にしか表現されなかった特性に新たな双方向性を持たせることが可能となることを指摘した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画どおり分野間の親和性に対する理解を深め、その詳細な解析が完了したことから概ね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
分野間親和性の定性的な定義を終え、定量的な算出方法が確立したため、個々の研究者の学際性を測る手法の開発を実施する。また、イノベーション創発に関係する指標の検討に取りかかる。
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Causes of Carryover |
調査に必要と想定していた書籍、文献等は費用のかからない方法により情報を収集することができた。また、会議への参加に関してはオンライン参加を行ったため、旅費の支出を必要としなかったため。 2024年度に研究発表のための翻訳費用、沖縄県への会議参加費用に充当予定である。
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Research Products
(2 results)