2023 Fiscal Year Research-status Report
大学におけるハラスメント相談支援システムに関する国際比較研究
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23K02552
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
横山 美栄子 広島大学, ハラスメント相談室, 名誉教授 (50259660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 浩美 広島大学, ハラスメント相談室, 准教授 (40963666)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 大学のハラスメント対策 / セクシュアル・ハラスメント / アカデミック・ハラスメント |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、(1)海外の大学のハラスメント相談対応に関する理念、制度設計の量的調査の調査項目を確定するための作業を行った。カナダ、米国、フィリピンの大学関係者への聴き取り及び文献調査によって、大学のハラスメント相談対応に対する理念や根拠法、相談対応の資源等、比較検討できる項目について精査した。 例えば、カナダでは、アカデミックハラスメントに対しては、Equity and Inclusion Officeが、性暴力、セクシュアル・ハラスメントについては、Sexual Violence Prevention and Response Officeが設置され、相談に応じる。いずれも当事者間の関係調整、警察や病院などの他機関との連携も行われている。 アメリカでは、組織オンブズにおいてオンブズパーソンによる苦情処理と問題解決が図られている。 フィリピンではハラスメント専門の相談窓口はないが、学部長など大学のリーダー的役割を果たす人物が調整等を含む相談対応をすることが暗黙の了解事項となっている。また、ガイダンス・カウンセラーとジェンダー・オフィスが学生生活全体への適応について、支援する仕組みがある。 これらのプレ調査と昨年までに行った日本国内での調査結果をもとに、標準化した調査票を作成中である。 (2)相談対応プロセスのモデル化のための海外大学の相談機関への直接の聞き取り調査は、2024年度に行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度に予定していた大学の関係者への聴き取りは概ね実施できた。しかし、イギリス、フランスの大学への聴き取りは、予算の不足等により年度内には実施できなかったため、当面文献調査を行うこととした。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度には、次の2点について調査を行う予定である。 (1)量的調査の項目を確定し、オンライン等を利用して実施する。 (2)海外大学の相談機関への聞き取り調査による対応プロセスのモデル化を目的として、フィリピン、イギリス、フランスの大学の相談担当者への聴き取りの実施する。
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Causes of Carryover |
イギリス及びフランスの大学への聴き取りが2023年度には実施できなかったため、2024年度に実施することとした。
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Research Products
(1 results)