2023 Fiscal Year Research-status Report
産学連携の組織的な促進のためのインセンティブと大学組織マネジメントに関する研究
Project/Area Number |
23K02553
|
Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
吉用 武史 高知大学, 教育研究部総合科学系地域協働教育学部門, 准教授 (10606792)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | 産学連携 / 地域連携 / 大学組織マネジメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、産学連携における大学研究者のインセンティブに対する正確な理解と、大学の組織マネジメントへの反映を目的とし、インセンティブの多様性および優先順位の調査と、大学役員等が感じているマネジメント上の課題把握のため、各種情報収集と分析およびヒアリングを行うものである。 2023年度は、学内における研究者意識調査の結果を踏まえ、研究者および役員等へのヒアリングを行った。対象研究者は年齢は40~50代。産学連携の経験の有無、人文社会科学系・生命科学系など、多様な構成に留意した。また役員は地域連携や産学連携を所掌する教員とした。結果として、いずれの研究者も社会貢献活動への高い意識を持っていることは既調査結果のとおりであったが、研究者のキャリア形成過程における経験が意識変遷の重要なファクターとなっていること、それに対する組織的なフォローアップの有無の重要性が伺い知れた。また役員の課題認識として、研究者へのインターナルマーケティングの不十分や、社会貢献意識と地域社会とのリレーションシップによるインタラクティブマーケティングの重要性が挙げられた。 研究者の経験がインセンティブに起因することや、大学の組織マネジメント上の課題も確認できた。本研究の内容は以下学会にて発表した。 〈学会発表〉「地域貢献を掲げる大学の現場における支援の在り方について」産学連携学会第21回年次大会・オーガナイズドセッション(2023年6月13日)
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り研究者および役員へのヒアリングを実施した。学内の各種情報の把握については、可能な限り多岐に渡る情報の分析を行うことを目指すため、情報管理部局も多岐に渡ることから、その収集方法の検討および各所との調整が引き続き必要となる。現在のところおおむね順調に進んでいると考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初計画通り、研究者による産学連携活動(共同研究、受託研究、特許出願、学術指導、研究成果有体物譲渡など)や競争的資金申請(科研費等の基礎研究型競争的資金申請、JST,NEDO等の応用研究型競争的資金申請など)、その他の学内活動(支援人材への相談、発明相談、公募事業の説明会参加など)を情報整理し、研究者の意識と実際の活動とを照査して研究者のインセンティブ構造の実態に迫る。
|
Causes of Carryover |
当該年度は東京に複数回訪問のうえ有識者との打ち合わせを予定していたが、オンラインによる実施で代替することが出来た。また、予定していた学会発表も、開催地が地元高知県となったことから旅費使用が無くなった。一方で学会出席を機に研究力強化に係る有識者からの協力体制を得たことから、今年度その打ち合わせに係る費用を充てる計画である。
|