2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of a Content Delivery Network for Learning Management Systems
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23K02631
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
川村 尚生 鳥取大学, 工学研究科, 教授 (10263485)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 健一 鳥取大学, 工学研究科, 准教授 (30399670)
東野 正幸 鳥取大学, 工学研究科, 准教授 (70736090)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Keywords | e-Learning / 分散システム / 遊休資源 / CDN |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究を進めるにあたって、解決すべき課題を次の8項目に細分化した。(1)遊休計算機との通信のセキュリティ確保、(2)遊休計算機に保存されるコンテンツのセキュリティ確保、(3)提案システムの性能テスト環境、(4)提案システムの内部状態([a]計算資源、[b]タスク割当、[c]通信状況、[d]分散DBの動作状況)の可視化環境の実現、(5)遊休計算機に特有の振る舞いのモデル化、(6)モデルに基づいたシミュレーション環境の実現、(7)シミュレーション環境を使った分散アルゴリズムの開発、(8)実環境での実証実験。 本年度は上記の課題中、3項目(1、3、4[a])の検討を進めた。以降に概要を示す。 (1)遊休計算機をCDNのエッジとして利用するには、WebブラウザからセキュアにアクセスするためのHTTPS通信の実現が必要である。そこで、遊休計算機にTLSサーバ証明書を自動配布し、さらに自動更新を行う組織内のイントラネット向けの自動更新プロトコルを提案し、実装及び動作確認を行なった。 (3)遊休計算機では本来の使用者の操作により通信の切断・接続や遊休の計算資源量の変動が生じる。提案するCDNにおいては、これらが任意のタイミングで発生しても十分な性能を発揮する必要がある。そこで、提案するCDNの性能テストを行うために当該状況を再現する性能テスト環境を構築・評価した。さらに、遊休計算機を想定した計算機を用いて通信の切断・接続への耐性を持つとされる既存分散DBを用いて実験を行なった結果、遊休計算機の特徴である頻繁な通信の切断・接続の繰り返しに対応できないことと、その対応に必要な事項を実験的に明確化した。 (4[a])提案するCDNの実装やデバッグにおいては、計算資源が実際にどの程度提供され使用されているのかを把握する必要がある。そのために開発者向けの計算資源のビジュアライザを開発・評価した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究計画の期間は5ヵ年であり、本年度は、前述した課題8項目中、3項目(1、3、4[a])まで検討を進めた。また、このうち2項目については、それぞれ査読付き国際会議論文として発表した。以上より「おおむね順調に進展している。」と判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、12個に細分化した課題に順次取り組む。次年度は課題1(遊休計算機との通信のセキュリティ確保)の評価、課題2(遊休計算機に保存されるコンテンツのセキュリティ確保)、課題5(遊休計算機に特有の振る舞いのモデル化)、課題6(モデルに基づいたシミュレーション環境の実現)に着手する。並行して課題8(実環境での実証実験)についても、プロトタイプの開発を部分的に開始し、研究期間の後半において検証及び評価を行えるように準備を進める。
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Causes of Carryover |
国際会議参加費がやや少ない金額で済んだため若干の次年度使用額が生じた。来年度に予定している国際会議参加費等と合わせて使用する。
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