2023 Fiscal Year Research-status Report
プログラミング演習におけるプログラム構造と不定な動作に対応した高速自動採点の研究
Project/Area Number |
23K02644
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
水谷 泰治 大阪工業大学, 情報科学部, 准教授 (10411414)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | プログラミング教育 / 自動採点 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,大学等における数百人規模の受講生を有するプログラミング演習を対象とし,(P1)プログラムの構造を考慮した自動採点,(P2)不定な動作に対する自動採点,(P3)大量の課題プログラムに対する高速な自動採点,の3点を満たす自動採点手法の確立を目的としている.本研究では具体的なプログラミング演習として,大阪工業大学情報科学部で実施されている,C言語を用いたプログラミング演習を対象として研究を遂行する. 令和5年度は,(P1)(P2)を実現するために,C言語で記述されたソースプログラムの抽象構文木を構築するツールを開発した.また,(P2)を実現の一手法として,構築した抽象構文木から未初期化の局所変数の宣言を探索する手法,および,その宣言に対してダミーの初期化を付与するツールを開発した. また,プログラミング演習において提出されたソースプログラムに対して,開発したツールの予備実験を行った.その結果,未初期化の変数を使用したことによるバグを良い精度で検出できることがわかった. 一方,(P3)については,本研究課題の実施前の段階から開発・運用してきた採点システムを改造し,採点対象となるプログラムや受講生を複数のグループに分割し,それらを並列に動作させる手法を検討し,開発を進めている途中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」で述べた(P1)(P2)(P3)について,(P1)と(P2)の進行度が当初の計画とは逆転しているものの,現時点では全体的には概ね当初の計画通りの進展と言える.
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Strategy for Future Research Activity |
未初期化の変数に対するダミー初期値の追加に関する機能について成果をまとめ,学会で発表する.また,プログラムの構造を考慮した自動採点手法について検討を開始する.採点システムの並列化については,引き続き開発を進め,正しく動作する段階にまで到達させる.
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Causes of Carryover |
当初予定していた機材が想定よりも低額で購入できた.また,当初聴講する予定であった学会がオンラインで開催されたことで旅費が発生しなかったことなどにより,旅費についても当初の予定より低額となった. 今回生じた次年度使用額は,次年度購入予定の機材の高性能化,研究成果を保管するための記憶装置の購入,および,聴講・発表する学会の数と参加日数の増加などに割り当てる.
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