2023 Fiscal Year Research-status Report
過疎地域・離島を中心に展開する拡散型オンライン教員研修モデルの構築
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23K02654
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
榊原 範久 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (50824231)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 崇行 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (60824224)
大前 佑斗 日本大学, 生産工学部, 講師 (00781874)
水落 芳明 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (40510053)
八代 一浩 山梨県立大学, 国際政策学部, 教授 (30312177)
高橋 弘毅 東京都市大学, デザイン・データ科学部, 教授 (40419693)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | オンライン教員研修 / 教員研修の高度化 / CSCL / 過疎地域・離島 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,過疎地域・離島を支援する拡散型オンライン教員研修プラットフォームを開発し,ICT活用をテーマに教員研修を実施する.研修を拡散する過程を通じて,校内のICT活用を牽引する校内研修リーダーの育成を目指すことである. 研究初年度として,まず拡散型オンライン教員研修プラットフォームを開発に取り組んだ.大学・教育委員会・学校の協働によるオンラインを部分的に活用した拡散型教員研修のモデルを開発した.管理・統制力を持つ教育委員会が参加要請や拡散校内研修を依頼する.大学教員は専門知を活かして研修を実施する.そして,学校の代表者は校内研修リーダーとして研修を実施し教員全体の実践知を高める.さらに授業実践を大学教員が参観し,成果と課題を次の教員研修に組み込み,循環するコンセプトである.3つの自治体で実施し,対象学校数は60校で,オンライン研修を受講した代表者が拡散研修に取り組み,約1000名の教員へ研修を行った. しかし,課題としてオンライン研修時は他の参加者の思考を共有することができず,大学教員の講義を一方的に聞く形になってしまう点が挙げられた.そこで,CSCL(Computer Supported Collaborative Learning,コンピュータに支援された協調学習,またはそのシステム)研究から着想を得て,オンライン研修受講者にオンラインホワイトボードのアプリケーションを使用させ,お互いの思考が可視化・共有化された状態を本研究モデルに加えて実施した. その研究の効果を分析し,学会で発表をした。また,過疎地域の教育委員会や学校を訪問し,GIGAスクール構想下における教育課題について調査を行なった.そして,次年度の研修会実施の計画を設定し,教員研修の実施がより困難な過疎地域・離島を重点的に支援する「拡散型オンライン教員研修モデル」の研修を設定した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の目的に示した通り「過疎地域・離島を支援する拡散型オンライン教員研修プラットフォームを開発し,ICT活用をテーマに教員研修を実施する.」ということについて,実際に拡散型オンライン教員研修のモデルを開発し,3つの市町教育委員会で実施し,対象学校数は60校で,代表者としてオンライン研修を受講した教員が,自校で拡散研修に取り組んだ.拡散研修を受講した教員を合計すると約1000名となった.また,オンラインホワイトボードを併用した新しい形式のオンライン研修モデルを開発し,その成果を検証して学会で報告するなど,研修実施の面では順調に進んでいる.課題としては,本研究の主題でもある過疎地域での教員研修が実施ができていないことが挙げられる.研修実施の計画を立てるところまで進めたので,次年度は実施へ移行する.このように研究は概ね順調に進展していると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策としては,計画通り過疎地域での拡散型オンライン教員研修プラットフォームを開発し,その効果を検証することを第一の目標とする.さらに,CSCLを活用した教員研修のモデルの効果検証やオンライン教員研修実施に対する教員のモチベーション調査も並行して実施していく,次年度は対象自治体を増加してより広域で実施し,研究成果を教育委員会や学校現場に還元していく.
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Causes of Carryover |
高額な設備備品費として計上したPCなどの購入を次年度に見送ったため.また,参加予定の学会や研修会がオンライン形式になるなど旅費の支出も当初の予定より少なかったため.
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