2023 Fiscal Year Research-status Report
学習ビッグデータに基づく情報リテラシー教育の学習状況分析と学習支援システムの構築
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23K02658
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
熊本 悦子 神戸大学, DX・情報統括本部, 教授 (00221383)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
殷 成久 九州大学, 情報基盤研究開発センター, 教授 (20512180)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 学習データ分析 / 情報リテラシー教育 / 学習支援システム / 対面授業 / オンデマンド授業 / 提出値 / クラスタ分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
コロナ禍における遠隔授業の浸透により,オンデマンド授業やハイブリッドによる対面・遠隔併用の授業などが実施されるようになった.本学では2004年度からLMSを用いた情報リテラシー教育「情報基礎」を実施しているが,コロナ禍で対面授業からオンデマンド授業となってから,単位を取得できない受講生が増加傾向にある.そこで,本研究は本学新入生を対象とする情報リテラシー教育について,LMSにログデータとして蓄積された学習履歴を分析し,オンデマンド授業における単位獲得率の低下の原因を探り,そのエビデンスに基づいた学習指導を行うための支援システムを構築することを目的としている 今年度は,まず初めに分析の対象となるLMSの学習データの抽出を行なった.LMSシステムより,対象となる情報リテラシー教育の学習データ(2018年から2022年までの5年間,全22クラス(約2,500名))を抽出,個人が特定できないように匿名化処理を行なった.次に,学習者を成績別に,高・中・低の成績帯に分類し,課題を提出する時間の速さを表す「提出値」をグループごとに計算し各グループの課題提出時間の特徴についてK-meansクラスタリングにより分析を行なった.対象とした課題は期末レポートを含む課題レポート6題と,小テスト5題についてであった. 結果として,低成績帯は多くの課題において課題の締め切り直前か, 締め切りを過ぎて提出する傾向が見られること, そして高成績帯・中成績帯と比較して各課題における課題提出時間のばらつきが大きくなっていることが明らかになった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の課題は,「学習ログの解析」,「対面授業とオンデマンド授業の差異の分析」,「成績不審者の学習行動の分析」,「学習支援システムの開発」「実証実験」の5つである. まず,分析に必要な学習データをLMSより抽出し,個人が特定できないように匿名化を行なった.その上で,今年度は「学習ログの解析」,「成績不審者の学習行動の分析」を中心に研究を行なった.その結果成績が不振な「低成績帯」の履修者の課題提出に関する行動の傾向が明らかになったが,対面授業とオンデマンド授業での行動については差異を見出すことができなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
成績不振となりうる要因としては授業の欠席回数やファイルの閲覧数など課題提出時間以外にも様々な学習行動があると考えられる. LMS 上に蓄積される学習者のログデータには課題提出時間と成績以外にも多くの要素があり, さらなる要素を取り入れた分析を今後進め,対面授業とオンデマンド授業の差異等についても合わせて分析を進め,新たな学習支援システムの開発準備を進めていく予定である.
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Causes of Carryover |
2023年度は,既設のコンピュータシステムを用いてデータ解析を行なったため,物品費を計上する必要が生じなかった.2024年度は新たにコンピュータシステムを購入して更なる解析及び,学習支援システム構築の準備を進める. また,2023年度は旅費の計上がなかったが,2024年度には国際学会での成果発表を予定しており,2023年度の余剰分も2024年度の旅費に使用する予定である
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