2023 Fiscal Year Research-status Report
A Study of Supervisor Behavior and Workplace Management to Promote Career Autonomy among Mid-Career Employees in Companies
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23K02693
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
荒木 淳子 明治大学, 政治経済学部, 専任准教授 (50447455)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | キャリア自律 / TEA / プロセス |
Outline of Annual Research Achievements |
企業で働く人を対象にキャリア自律していく過程に関する分析を行った。厚生労働省のグッドキャリア企業アワード受賞企業など、社員のキャリア開発に熱心な企業に調査協力を依頼し、協力の得られた企業の人事担当者からキャリア自律している社員を紹介してもらいオンラインインタビューを行った。キャリア自律は「社内で強みや専門性を確立していること」、「自分のキャリアに主体的に関わろうとしていること」と定義して依頼を行った。 対象とする社員の年齢は、社内で中堅社員となる30代~40代前半とし、文系学部を卒業した事務系社員とした。新卒一括採用が中心の日本企業では、文系学部を卒業した事務系社員は一般的に社内で業務経験を重ねながらキャリア形成をしていくこととなる。このため理系学部出身の技術系社員よりも入社後のキャリア自律の過程がより明確にできると考えたためである。結果、7社14名の協力を得られた。 インタビューは一人1時間~1時間の半構造化インタビューで、許可を得た上で全て録音した。また、インタビュー前に事前アンケートとして堀内・岡田(2016)よりキャリア自律度や入社後のキャリアについて回答を求めた。このうち、年齢や出身学部において調査対象と異なる社員を除く12名のうち、キャリア自律が14名の平均より高い社員5名を分析対象とし複線径路等至性アプローチ(TEA)による分析を行った。分析の結果は論文化し、学術雑誌(日本労務学会誌を想定)に投稿する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述したように今年度は計画書の通り、初年度は企業で働く社員のキャリア自律のプロセスについて研究を進めた。当初は調査協力企業や社員がなかなか得られなかったが、グッドキャリアアワード企業のほかにもキャリア開発に積極的な企業へと対象を広げたことで調査協力企業を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
キャリア自律のプロセスに関する質的研究の成果を踏まえ、今年度はキャリア自律と組織の支援と個人の特性に関する量的調査を行う予定である。キャリア自律する社員にはどのような特性があり、社員のキャリア開発には組織のどのようなサポートが有用であるのか、仮説を立てて量的分析による検証を行う。アンケート調査は、今のところインターネット会社に依頼して実施する予定である。キャリア自律度や所属企業のキャリア開発への取り組み、支援体制等について尋ね両者の関連について明らかにする。分析結果は論文化し、学術雑誌(経営行動科学雑誌を想定)に投稿する予定である。
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Causes of Carryover |
昨年度は主にインタビュー調査を実施したが、企業の人を相手にしたインタビュー調査であったので謝金が不要であり、文字起こしもフリーのソフトを用いたため費用が発生しなかった。また延長した科研の課題があったため学会発表等はまずは延長した課題について行った。このため昨年度は研究費を使用することができなかった。しかし今年度は、インタビュー内容を論文化する予定であり学会発表も予定しているため、昨年度の予算と合わせて研究を進めたいと考える。
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