2023 Fiscal Year Research-status Report
行動変容をうながす漫画教材とノベルゲーム教材のストーリー作成支援ツールの開発
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23K02714
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Research Institution | The Open University of Japan |
Principal Investigator |
平岡 斉士 放送大学, 教養学部, 准教授 (80456772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 徹 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 准教授 (60589323)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 行動変容 / マンガを用いた学習 / ゲームを用いた学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の概要:学習目標に到達しても、それを実際に使うという行動変容につながらないことがよくある。一方、漫画やゲームなどのストーリーを楽しむメディアによって、人が行動に駆り立てられることもよくある。登場人物に自分を投影したり、登場人物の行動によって代理強化されたりすることが、行動変容をうながすと考えられる。本研究では「学習目標を達成させた上で行動変容をうながす学習プロセス上のストーリー」と教材設計の特性を明らかにして、漫画・ノベルゲーム教材のストーリー作成支援ツールを作成する。そうすることで教育設計・物語作成の専門家でなくても行動変容をうながす漫画・ノベルゲーム教材を設計できるようにすることを目的とする。 研究の目的:行動変容をうながす漫画教材やノベルゲーム教材を、教育設計や物語作成の専門家でなくても設計可能にするのが本研究の目的である。そのために学習目標の達成をさせた上で行動変容をうながすような教材設計とストーリー構成の特性を明らかにしてストーリーのデザイン原則案を作成し、それに基づいたストーリー作成支援ツールを作成する。具体的には以下の3点を明らかにする。 1. 学習目標と学習メディアの特性に即した「学習目標を達成した上で、行動変容をうながすストーリー」はどのような特性を持ち、どのように構造化されるのか。 2. 構造化された結果をどのように用いれば、学習目標と学習メディアの特性に応じた、行動変容をうながすストーリーを作成できるのか。3. 行動変容をうながすストーリーを誰もが作成でき、それを用いた教材を作成できるようにするためには、どのような支援をすればよいのか。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
23 年度:行動変容をうながすストーリーの特性を明らかにし、ストーリーのデザイン原則案を作る 人間の行動に影響を与えるストーリーはどのような特性を持つのかを、実際の漫画・ゲーム・小説・映画などのストーリーの評価やシナリオ作成法などの観点で情報収集する。集めた情報について分析し、整理する。 その結果に基づいて「行動変容をうながす学習プロセス上のストーリーのデザイン原則案」を作成する。
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Strategy for Future Research Activity |
24 年度:デザイン原則案を元にストーリー作成支援ツールを作成し、実際に漫画教材を作るための方略を定める。 デザイン原則案に基づいてストーリー作成支援ツールを作成する。 ストーリー作成支援ツールを用いて、協力者に実際に漫画教材のストーリーを作成してもらう。そのストーリーが実際に行動変容をうながしうるかどうかの観点で検討する。その結果をもとにデザイン原則案ならびにストーリー作成支援ツールを改良する。 ストーリー作成支援ツールを用いて、別の協力者に実際に漫画教材のストーリーを作成してもらう。そのストーリーをもとに漫画教材を作成する(外部発注 and/or 市販ツールで内製)。 漫画教材で実際に学べるか、行動変容が起こるかどうかについて、形成的評価を行い、その結果をもとに、デザイン原則案ならびにストーリー作成支援ツールを改良する。 25 年度:ストーリー作成支援ツールを用いてノベルゲーム教材を作り、ツールの精緻化を行う。 ストーリー作成支援ツールをノベルゲーム用の特性に適用できるように拡張する。 拡張したストーリー作成支援ツールを用いて、協力者に実際にノベルゲーム教材のストーリーを作成してもらう。作成されたストーリーが実際に行動変容をうながしうるかどうかの観点で検討する。その結果をもとにデザイン原則案ならびにストーリー作成支援ツールを改良する。ストーリー作成支援ツールを用いて、別の協力者に実際にノベルゲーム教材のストーリーを作成してもらう。そのストーリーをもとに、ノベルゲーム作成支援ツールを用いてノベルゲーム教材を作成する(外部発注 and/or 市販ツールで内製)。 ノベルゲーム教材で実際に学べるか、行動変容が起こるかどうかについて形成的評価を行い、結果をもとにデザイン原則案ならびにストーリー作成支援ツールを改良し、公開する。
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Causes of Carryover |
プロの漫画家、ゲームデザイナーにインタビュー調査を行う予定だったが、先方ならびに当方との都合がつかず、延期となったことが大きな要因である。インタビュー調査については翌年度以降に実施予定としている。 また、開発ツールを選定するために、現状のツールをいくつか購入予定だったが、上記のインタビュー調査が延期となったことで、選定のための情報収集が不十分となったことも予算を繰り越すことになった要因である。これらについても上記のインタビュー調査や調査を含めて、翌年度以降に選定をする予定としている。
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