2023 Fiscal Year Research-status Report
外国人留学生の考えや思いの収集と把握を主眼に置いたアンケート調査システムの開発
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23K02719
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Research Institution | Takushoku University |
Principal Investigator |
佐々木 整 拓殖大学, 工学部, 教授 (80276675)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 裕美 多摩大学, 経営情報学部, 教授 (50320859)
倉田 芳弥 拓殖大学, 政経学部, 准教授 (40885589) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 絵文字 / 感情 / 外国人留学生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では絵文字(Emoji)、特に顔文字に着目し、絵文字を含んだ日本語文章の作成やその読解を支援し、外国人留学生が日本語で表現することが難しい感情や外国人留学生に日本語では伝わりにくい感情を、日本人と外国人留学生のそれぞれが的確に理解できるようにすることを目指している。 今年度は、絵文字の中の顔文字が表す感情について、Unicodeの顔文字U+1F600(GRINNING FACE)からU+1F644(FACE WITH ROLLING EYES)までの69種類を対象に、日本人学生と外国人留学生の間でどのように異なっているかの比較調査に取り組んだ。 69種類の絵文字が表していると感じる感情について、感情の分類「怒り(Anger)」「嫌悪(Disgust)」「恐怖(Fear)」「喜び(Happiness)」「悲しみ(Sadness)」「驚き(Surprise)」の6種類に「その他」を加えた7種類のどれに該当するか(重複回答あり)を、2つの大学(文系学部)に所属する日本人学生143名と外国人留学生45名(中国35名、ベトナム6名、インドネシア、チベット、ミャンマー、モンゴル各1名)に対して調査した。 その結果、日本人学生と外国人留学生との間で差が認められた顔文字が39字(57%)存在している事が明らかとなった。また、差が認められなかった30字(43%)についても、3種類以上の感情に分散しているものや、「その他」に集中する顔文字など、これらの絵文字の中でも完全に一つの感情だけを表しているものばかりではなく、複数の感情や6つの感情分類では表現できない感情を表している絵文字があることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
調査対象の絵文字が多く、調査に時間がかかると共に負担に感じる被験者もおり、本来予定していた専門学校での調査実施に遅れが生じた。その影響で、調査結果の分析等にも遅れが出ている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度で、日本人学生と外国人留学生で差がある絵文字を概ね絞り込むことができたので、来年度は絞り込んだ絵文字に対して、実際にどのような文章と共に利用されているかをSNS等での発話を収集・分析する。また、出身国・地域の違い等による差があるか、絵文字の中でも顔文字を構成するパーツ(目や口、汗など)の有無が、その絵文字が表現する感情にどのように影響をしているかを分析する。 これらの結果をシステムに反映させ、最終年度にシステムを完成させる。
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Causes of Carryover |
アンケート調査の遅れにより、分析やその分析結果を基に新たなデータ収集を行うために必要なソフトウェアのライセンス契約が本年度で完了しなかった。また、国内外での分析結果の報告の機会を失ったため、次年度使用額が生じた。 ソフトウェアのライセンス契約は進行しており、今年度速やかに使用する予定である。 また、夏期に関連学会での発表を予定しており、その旅費として使用する。
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