2023 Fiscal Year Research-status Report
Structure Analysis of Science and Mathematics Problems and Application for Individually Optimal Learning
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23K02748
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
上江洲 弘明 金沢工業大学, 基礎教育部, 准教授 (60350401)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高井 勇輝 金沢工業大学, 基礎教育部, 講師 (90599698)
谷口 哲也 金沢工業大学, 基礎教育部, 准教授 (90625500)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Keywords | 数式の類似度 / テキストの類似度 / ファジィ分割表 / 自動分類 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は研究目的を達成するための基本となる文章のベクトル化技術および数式のベクトル化技術についての基礎的な調査を行った.数式を含む文章のベクトル化技術としてMathBERTなどがあるが,日本語の文章と相性が悪かったため,本研究では新たに「数式を含む文章同士の類似度」の研究から着手した. 本研究では,タグ情報および構文構造を表現するために,MathMLコードをtf(termfrequency)ベクトルおよびBP符号(BalancedParenthesisEncoding)の手法を用いて,ベクトル・符号の類似度により数式の類似性評価を行う.tfベクトルとは,コード内における「単語の出現頻度」をベクトル化したものであり,本研究では,MathMLでよく用いられる13個のタグの出現頻度をカウントして13次元ベクトルを算出し,数式の特徴を表現する.これらのベクトルの類似度を測定することで数式のタグ情報類似度とする.類似度の算出においてはファジィ分割表を用いて測定している.また,類似度の定義も数多くあり,それらの評価も必要であると考え,サンプルデータによる類似度の評価を行った.本研究で提案している評価手法は,MDS(多次元尺度構成法)により類似度からベクトルを再現し,もとのサンプルデータとの乖離がどれほどあるか,というものであり,今年度は「cos類似」「Jaccard 」「Sorensen-Dice 」「Russell and Rao」「Simple Matching」の5つについて評価を行った. この技術の応用として期待される,ある学習者の理数系問題の正誤予測についても並行して実験を行った.これは,学生の過去の回答の正誤パターンから別の問題に対する正誤予測を行ったもので,練習問題の回答および実際の問題の回答データを集め,機械学習による予測を出力できるようにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度は先行研究や技術調査に時間を費やし,ベクトル化技術手法の検討がやや遅れているが,全体としてはおおむね順調であると考えている.技術手法の調査については,機械学習系の論文以外にも検索技術系の論文など参考にできるものが想定していたよりも数多くあり,それらの文献の調査に時間を多く費やした.他分野の技術を含めた知見を本研究へ応用することも想定しながら,本研究の提案手法の構築を行っている.提案手法の理論面の検討については,当初の計画より若干の遅れが出ている.システム化など,プログラム実装については来年度以降の課題となるが,その開発の準備については順調に進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの進捗でも記述した通り,理論面の研究がやや遅れている.システムの構築と並行しながら文献調査・技術調査を行いたいと考えている.ベクトル化手法については,高等学校数学教科書の問題などを利用して分類精度の検証を行う.2023年度と同様,文章・数式のベクトル化の調査を継続して行い,提案手法の検証・改善を進める.システム構築については,来年度は実際の学習者を対象に,回答パターン予測システムを確立し,学習者や教授者のの学習支援としてどう役立てられるかどうか,ユーザビリティの観点からも評価・検証を行う.特に,教育現場からのニーズなどについて注意深く調査を進め,それらの情報を取り込んだシステムを構築したいと考えている.
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Causes of Carryover |
2023年度は物品調達が遅れ,計算機の購入などが出来なかった.2024年度は早々に物品調達を行い,システム開発に取り組む予定である.
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Research Products
(3 results)