2023 Fiscal Year Research-status Report
見通しと振り返りに焦点をあてて,体験的に探究の過程を学ぶ授業プログラムの開発
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23K02757
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
日置 英彰 群馬大学, 共同教育学部, 教授 (00208737)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 探究的な学習活動 / ルミノール反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は初版となる学習プログラムを完成させるために,次の3点について重点的に検討した. まず,ルミノール反応において発光の有無を正確に検出できる教具の開発を行った.本授業プログラムでは,生徒の自由なアイデアのもとに様々な実験を計画・立案され,発光実験が繰り返し行われる.よって発光を確認するために実験室を一斉に暗くすることができない.そこで微弱な発光が十分に確認できる暗箱の作製を検討した.いくつかの試作を経て,複数の生徒が同時にリアルタイムで発光の様子を観察でき,それを写真や動画で保存できるよう,暗箱に超小型の監視カメラを内蔵して映像をスマートフォンやタブレットに転送できるものを完成させた.これにより,実験室を暗くすることなく安全に実験ができ,発光強度の比較も容易に出来るようになった.このカメラ付きの暗箱はレーザーカッターでプラスチック段ボールを切断し組み立てるので,一台5000円程度で短時間に量産が可能である. 次に,課題や仮説を立案する場面において,生徒が既得の知識を最大限活かせるよう,授業者が導入の場面で演示する実験や話す内容を吟味した.探究活動の時間を十分に確保するため,導入はできるだけ短くする必要がある.そこで,生徒が学習していないルミノール反応については資料を作成し,生徒がその資料から必要な情報を参照しながら仮説や実験計画などを立案できるようにした. 3点目は生徒に提供する実験器具や試薬の種類,提供方法である.試薬の調製を生徒が行うと時間がかかることや,試薬の濃度によって発光強度,発光時間が大きく異なることらからあらかじめ溶液となったものを提供することとし,提供する試薬の種類と濃度を検討した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定通り初版となる授業プログラムをを作成することができたが,プログラムのブラッシュアップまで至らなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は作成した授業プログラムに従い高等学校で授業実践を複数回おこなって,プログラムのブラッシュアップを行う.探究活動後に生徒同士が意見交流することは大変重要であるが,生徒が多様な探究活動を行っているので短時間でその内容を共有するのが難しい.ICT機器の活用などを検討して意見交流の効率化を検討したい.
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Causes of Carryover |
授業実践を行ってプログラムのブラッシュアップができなかったため,授業で使う試薬や実験器具,ICT機器などの購入が次年度にずれ込んだ.
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