2023 Fiscal Year Research-status Report
理数系ジェンダー・ギャップ解消に向けた地域特性の把握と教育モデルの開発
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23K02766
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
福本 晃造 琉球大学, 教育学部, 准教授 (80549816)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉尾 幸司 琉球大学, 教育学研究科, 教授 (20433089)
宮国 泰史 琉球大学, 地域連携推進機構 地域共創企画室, 特命講師 (00869290)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 科学教育 / STEAM教育 / 理数教育 / ジェンダー・ギャップ / ジェンダー教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
「理数・科学に対して強い興味関心を持つ児童・生徒を対象とした男女差特性の抽出」については、琉球大学が実施している科学・STEAM教育プログラムに参加する小中学生および高校生に対して、理数・科学に対する認識をたずねる質問紙調査を実施するとともに、過去のプログラム参加者を含めて分析を行った。その結果、プログラムへの応募者の女子比率は、小学校段階・中学校段階・高校段階など、学年の進行に伴って上昇し、女子が男子よりも科学・STEAM教育プログラムに対する積極性を示す傾向が明らかになった。 また、同結果の中でも特に中学1年生を対象とした分析を進め、沖縄県内の5つの中学校の結果と比較したところ、大学の実施するプログラムに参加する女子生徒における理数分野に対するジェンダー・バイアスは一般的な中学の女子生徒に比べて小さいことがしめされたが、女子生徒が肯定的な回答を示した項目には、医療や生活、ケアマネジメント等、女性の多い職業として認識されている職種に対応しうる要素が含まれる可能性があり、女子生徒の理系分野に対する認識はジェンダー・バイアスの影響を受けている可能性が示唆された。 試験的な取り組みとして、科学・STEAM教育プログラムを受講する未就学児を対象とした調査も行い、参加者の男女比などの差異を探った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
科学・STEAM教育プログラムを受講する生徒について、女子生徒は男子生徒と比べて学年の進行に伴って理数・科学に対する積極性が高まる傾向を明らかにすることができた。小中高校に加え、試験的に未就学児も対象に調査を行い、ジェンダー・ギャップが生じる原因についても可能性を導くことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
科学教育プログラムの参加者の質問紙調査の結果を類型化したうえで、各類型の代表的な児童・生徒に対しては、半構造化インタビュー調査(事前に大まかな質問事項を決めておき、回答者の答えによってさらに詳細にたずねて行く簡易な質的調査法)を行うなど、質的調査・分析についても進めることを検討している.
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Causes of Carryover |
参加者の興味・関心アンケートに合わせて、提供する科学・STEAM教育プログラムを選定している。当初、2024年度提供予定のプログラムと2023年度提供予定を入れ替えたため、2023年度使用を予定していた物品費を次年度に繰り越した。
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