2023 Fiscal Year Research-status Report
インターネット望遠鏡のブラジルへの設置および「課題バンク(南半球版)」の開発
Project/Area Number |
23K02794
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
戸田 晃一 富山県立大学, 工学部, 教授 (20338198)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 裕樹 東北公益文科大学, 公私立大学の部局等, 教授 (20348816)
中西 裕之 鹿児島大学, 理工学域理学系, 准教授 (90419846)
櫛田 淳子 東海大学, 理学部, 教授 (80366020)
上田 晴彦 秋田大学, 教育文化学部, 教授 (70272028)
澤渡 信之 東京理科大学, 創域理工学部先端物理学科, 教授 (80339126)
中村 厚 北里大学, 理学部, 准教授 (90245415)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | インターネット望遠鏡システム / 課題バンク / 天体観測(とくに南天) / オンライン教育 / 電子観望 / 生涯教育 / コンピテンシー教育 / エージェンシー教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
インターネット望遠鏡システムとは,遠隔地に設置された望遠鏡をインターネット経由でコントロールし,さまざまな天体を観測するための装置と操作システムのことである。2003年度より,北半球の複数箇所に設置され,自宅や教育現場で無料で利用されている実績が数多くある。南半球に設置すれば,北半球に設置されたものと相互活用でき,地球規模で24時間常時天体観測が可能となる。本研究課題において,ブラジル国内の複数箇所にインターネット望遠鏡システムを設置するための基礎調査を,オンライン形式により行った。また,2023年度後半は国際会議に参加し発表を行ったり,対面での研究打合会合など実施したりした。
また,インターネット望遠鏡システムによる天体観察を教育現場により普及させるために,小学校から高等学校までの各学年で,天文学教育における「コンピテンシー教育」の教材例ともなる“使える”観測テーマの事例を無料で公開する仕組みである「課題バンク」を開発している。作成するためのカテゴリ(テーマ)を決め,各テーマごとにいくつかの「課題」を作成することができた。また,試験的に運用を開始した「課題バンク」のホームページの試用を行い,見つかった問題点をすぐに改善し,その完成度を高めている。
さらに,インターネット望遠鏡システムの設置費用を抑えるために,インターネット望遠鏡システムの小型化の研究を進めている。小型望遠鏡とスマートフォンもしくはタブレットを利用した「スマート望遠鏡(仮称)」をその候補とし,インターネット望遠鏡のシステムを利用できるかの検討を行った。毎年度開催している「インターネット望遠鏡プロジェクトに関するシンポジウム」を2023年度も11月に,オンライン形式と対面形式のハイブリッドにて開催し,本研究課題の研究成果の公表や関連する研究活動および教育活動の実践報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年3月のブラジル滞在以降,新型コロナウイルス感染症の甚大な影響のため,インターネット望遠鏡システムの南米での設置予定先であるブラジル国内のサンパウロ大学サンカルロス校に滞在し,本研究課題のメンバーが設置のための現地状況の視察や設置のための事前準備を行うことがほとんどできなかった。しかし,オンラインで先方との協議を継続的に行っている。
各地のサイエンスカフェ,青少年のための科学の祭典などに可能な限り参加し,本研究による成果のアウトリーチ活動を行う予定であったが,新型コロナウイルス感染症の影響により,これらの活動もここ数年度間は限定的となった。このため,現在作成中の「課題バンク」の試用を行い,その改良点や補足すべき点,および加えるべき課題の調査にも遅延が生じている。(2023年度中盤より本格的な対面での活動を対外的に再開した状況である。)
しかし,「スマート望遠鏡(仮称)」の開発研究は,ほぼ順調に進んでおり,2023年度内に試作品の準備に入ることができた。これは他の活動がまだ限定的であるために,本活動に注力した成果である。さらに,当初の予定にはなかったインターネット望遠鏡の操作インターフェースの改良にも着手した。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症の影響がやっと収まりつつあるため,本格的にブラジル国内への設置の準備に入ることができる。南米での設置予定先であるブラジル国内の2箇所への設置計画を粛々と進めていく。
インターネット望遠鏡システムの小型化は,今後のインターネット望遠鏡システムネットワークの普及に不可欠な課題である。2024年度中に「スマート望遠鏡(仮称)」の試作機を完成させ,試用できるように現在計画を進めている。また,各テーマごとに複数の「課題」を作成し,「課題バンク」のさらなる充実を図る。そして,専用ホームページにてそれらの「課題」を公開し,教育現場などでの利用が可能となるように整備していく。これらは,「コンピテンシー教育」,そしてその先にある「エージェンシー教育」の先行実例となるような教材として作成していく予定である。
加えて,本研究課題に関係するいくつかのホームページの内容を充実させ,国際会議などでの発表や勤務先以外でのアウトリーチ活動についても,本格的な対面形式での実施を再開させる予定である。
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Causes of Carryover |
当初の研究計画通りの出張ができなかった。また,世界的な資材不足の影響もあり,「スマート望遠鏡(仮称)」の試作機を完成させられなかった。そのために,令和6年度(2024年度)への繰越金が発生した。
令和6年(2024年)夏以降に,「スマート望遠鏡(仮称)」の試作品を作成し複数箇所に設置する費用,オンライン会議を定期的に行えるシステム構築に関する費用,研究遂行上必要となる旅費などに使用する予定である。
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Research Products
(21 results)