2023 Fiscal Year Research-status Report
Setting for Scientific Communication Utilizing Digital Technology to Support Preschool Teachers' Philosophy of Early Childhood Education in the New Normal Age
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23K02797
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Research Institution | Tokyo Kasei Gakuin University |
Principal Investigator |
末松 加奈 東京家政学院大学, 現代生活学部, 助教 (30825625)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 知香 静岡大学, 教職センター, 講師 (80710540)
大崎 章弘 お茶の水女子大学, サイエンス&エデュケーション研究所, 特任講師 (70386639)
後藤 郁子 お茶の水女子大学, グローバルリーダーシップ研究所, 研究協力員 (60724482)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 科学コミュニケーション / 応答性 / 日常の中の科学 / 双方向性 / デジタル / 自分事 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)幼児を対象とした、物語を創る親子デジタル科学絵本講座を対面で8回実施した。特に今年度は、各回のテーマを「葉」に統一することにより、科学コミュニケーションの場の精緻化を図った。具体的には、科学的な気づきを生むファシリテーションの在り方、物語創作の過程でリアルとデジタルの双方向性を生むデジタルツールの2点について主に検討した。 科学的な気づきを生むために、テーマである様々な形や色の葉を用意し、物語創作の前に子ども達には触る、匂いを嗅ぐなど感覚を通して葉を理解するプロセスを導入した。また、簡易的なハンディ顕微鏡を用意し、視点の違いから科学的な気づきや驚きを感じられるような工夫を行った。 物語創作に使用するアプリには、物語創作の中でリアルとデジタルの双方向性が構築されるよう、実際の葉の写真を取り込むことが可能であり、子どもでも操作がしやすいアプリを採用した。さらに、子どもが自分事の物語としてテーマである「葉」を用いやすいよう、喜怒哀楽の表情スタンプを作成し、アプリ内で使用できるようにした。 葉以外にも、子どもがより情景を描きやすいよう、背景になるような素材なども用意し適宜子どもが活用できるように配置した。 2)親子デジタル科学絵本講座での親子・保育者のやり取りのデータ収集を行った。参加者の同意を得た上で、iPadの画面収録を行うとともに、ビデオとウェアラブルカメラで録画を行いデータとした。また、参加後の保護者アンケートも実施した。 3)講座に参加した保育者は、事前にテーマや進め方などについて意見を求めたほか、事後には振り返りを行い、意見交換や自己省察を交えたグループインタビューを実施した。グループインタビューは、参加者の同意を得た上で録音しデータとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、親子デジタル科学絵本講座における参加者である親子及び保育者の応答的な関係性に着目し、なぜ科学というテーマはそのような関係を醸成したのか、デジタルツールを用いることで保護者や保育者にどのような気づきや見方の変化があったかについてアンケートやインタビュー、観察を通して検証する。 1年目と2年目は科学コミュニケーションの場である親子デジタル科学絵本講座の精緻化を図る。さらに、研究Ⅰとして講座における科学的な気づきや変化の想起について検討し、研究Ⅱとして講座に参加した保育者の保育観の変容過程の検証を行う。 1年目である本年は、主に講座の精緻化を行った。テーマ設定、ファシリテーターの在り方、環境などについて、これまでに行ってきた講座の知見をもとにより精緻化した。精緻化にあたっては、事前にこれまでの講座に参加した保育者を交えた意見交換会を実施し、研究者だけでなく保育者からの知見も整理した。全8回のテーマを統一することにより焦点が絞られ、より精緻化が進んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、研究Ⅰの講座における科学的な気づきや変化の想起についての検討と、研究Ⅱの講座に参加した保育者の保育観の変容過程の検証を進める。 1)親子デジタル科学絵本講座を5回開催する。精緻化した講座の形式を基本とし、講座を実施する予定である。 2)これまでのアンケートとiPadの画面収録等の録画データを分析し、科学的な気づきや変化の想起について仮説を構築する。その後、アンケート項目やファシリテーション等の見直しを行う。見直した内容は適宜講座に反映させる。 3)保育者の保育観の変容過程、具体的には実践を保育者自身がどのように捉えたか、自分自身の気づきや認識の変化について、検証方法を検討する。これまでに講座に参加した保育者からもヒアリングを行い、その内容を検証方法に反映させる。構築した検証方法を実際の講座で実践する。 4)これまでの研究成果を国際学会・国内学会で発表する。
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Causes of Carryover |
物品費について、当初は実施会場でスライドを投影するためのプロジェクターや作成した絵本を印刷して参加者に渡すための小型プリンタの購入を想定していたが、会場が想定よりも狭かったこととアプリの変更により印刷ではなくデータで絵本を渡すように変更が生じたため、それらの物品を購入しなかった。謝金について、想定より保育者の参加が少なかった。その他について、学会発表を実施しなかったため参加費が発生しなかった。 次年度は、分析を進めるための備品(図書を含む)の整備、5回の講座に参加する保育者の旅費および謝金、分析結果を発表するための国際学会及び国内学会への参加費および旅費、その他講座運営および学会発表に係る経費を支出予定である。
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