2023 Fiscal Year Research-status Report
日本における新しい場所への移動と挑戦を促進する心理メカニズムの検討
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23K02846
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
小宮 あすか 広島大学, 人間社会科学研究科(総), 准教授 (50745982)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 住居流動性 / 相互独立性 / 文化的自己観 / 親子間相関 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の技術革新により、国や地域などの地理的境界を越えて新しい環境に移動することは比較的容易になってきた。そうした流れの中で、多くのチャンスを得るために新しい環境へと移動しようとする人がいる一方で、同じ土地に留まり一生を過ごそうとする人もいる。その差はどこから生まれるのだろうか。本研究では相互独立性という心理的要因に注目し、日本における新しい場所への移動と挑戦を促進する心理メカニズムを明らかにすることを狙うものである。本研究では、研究計画1「相互独立的自己観は将来の移動の企図を予測するか(調査による検討)」、研究計画2「相互独立的自己観を高めれば、移動の企図は高まるか(因果関係の実験的検討)」、研究計画3「相互独立的自己観はどこから来るのか(親子調査による検討)」の3つの研究計画を実施する予定である。 1年目となる2023年度は、研究計画1「相互独立的自己観は将来の移動の企図を予測するか」を進めることを主眼としていた。現在調査項目を選定中であり、2024年度中に大学生を対象にした調査を実施する予定である。また、2023年度には、研究計画3「そもそも相互独立的自己観はどこから来るのか」を前倒しで実施した。具体的には、相互独立性が親子間で伝達されている可能性を踏まえ、中学生の子どもとその両親を対象に親子調査を実施した。その結果、親子間で相互独立性および相互協調性は類似していること(相関関係が見られること)、また、その関係性は意図的な過程(親が子に対して「こうあってほしい」と思う理想)によって媒介されないことが明らかとなった。今後、親子間相関がどのように達成されるのかを検討していく必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目に実施する予定だった研究計画1に関しては多少の遅れが見られるが、その代わりに3年目に実施予定である研究計画3が想定よりも進んだため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は先行研究の見直しを急ぐとともに、研究計画1を実施する。また、学会・研究会等に参加し、情報収集に努める。
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