2023 Fiscal Year Research-status Report
捜査面接手法と被面接者の供述の信頼性について国民はどう評価するか?
Project/Area Number |
23K02857
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Research Institution | National Research Institute of Police Science |
Principal Investigator |
和智 妙子 科学警察研究所, 犯罪行動科学部, 室長 (30415442)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 裁判員制度 / 捜査面接 |
Outline of Annual Research Achievements |
捜査面接とは、捜査のために行われる面接であり、被疑者取調べや被害者の事情聴取を総称して使われる。近年、これらの捜査面接をとりまく状況は変化している。被疑者取調べに関しては、海外では第3の学派と呼ばれる戦略的な取調べが行われるようになり、児童などの供述弱者と呼ばれる被害者や目撃者に対する面接では国内外ともに司法面接が実施されるようになった。しかし、裁判員となりうる一般市民が、これら捜査面接手法をどのように評価するかを検討した研究は、日本ではあまり行われていない。そこで、本研究では、近年実施されている被疑者取調べ手法や司法面接手法を一般市民がどのように評価するかを検討する。また、捜査面接手法とあわせて、供述弱者と呼ばれる被告人や参考人の供述の信頼性について、一般市民がどのように判断し、それが判決に影響するかを検討する。これらの検討の際、彼らのどのような特徴が、捜査面接の評価や供述の信頼性に影響するかも調査する。 研究初年度である本年度は、一般市民を対象に実施した被疑者取調べに関する過去の調査データを再分析し、被疑者取調べ手法の評価とそれに影響する個人要因を検討した。具体的には、参加者の性別、年齢に加え、正当世界信念や共感性、取調べ経験の有無、事情聴取経験の有無、刑事ドラマに対する態度という個人特徴が取調べ手法の適正さの判断に影響するかを検討した。その結果、取調べ手法への評価に影響する参加者の要因は,取調べ手法によって異なることが示された。特に、対抗的な手法に対して他の手法とは異なる参加者の特徴が関連しており、参加者の正当世界信念が関連したのはこの手法に対する評価のみであった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
被疑者取調べ手法の評価について一般市民のどのような特徴が影響するかを分析し、学会発表を行った。しかし、一般的な司法面接手法に関する評価及び児童等の供述弱者と呼ばれる参考人の供述の特性や信頼性について、裁判員となり得る一般市民を対象にインターネット調査を実施する予定であったが、実施できなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
児童等に対する司法面接手法の評価や供述の信頼性に関する調査票を作成し、一般市民を対象にインターネット調査を行う。その際、本年度検討した参加者のデモグラフィックな特徴や信念等に加え、参加者のバイアスやステレオタイプなどが参考人等の供述の信頼性の評価に影響するかを検討する。
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Causes of Carryover |
本年度に実施する予定であったインターネット調査を実施できなかったため。2024年度に、本年度実施予定であった調査を実施する。
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Research Products
(1 results)