2023 Fiscal Year Research-status Report
SELの定着を導く導入及び実践プロセスの質的解明と実装の研究
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23K02868
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Research Institution | Tokyo University of Information Sciences |
Principal Investigator |
原田 恵理子 東京情報大学, 総合情報学部, 教授 (20623961)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 弥生 法政大学, 文学部, 教授 (00210956)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Keywords | SEL / ソーシャルスキル・トレーニング / 予防教育 / 導入 / 定着 / コンサルテーション / 高等学校 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,SELの継続実施のための導入から実践,そして定着までのフレームワークとコーディネーター的教員を軸としたコンサルテーションとチームの在り方を解明し,SELの定着に向けたロードマップの提示とガイドラインの作成を目指している。 1年目の研究では,国や各教育委員会のSELの動向等について現状把握を行い,各教育委員会のSELを推奨する担当部署等のSELへの考えや実施等の把握が課題となった。また,導入のアウトラインの解明に向け,SEL長期実践校の事例を分析した結果,継続実施を維持する新年度準備と授業計画といったSEL実施までのプロセス,コーディネーター的教員のコンサルテーション,異動教員等への実施説明やスキル向上を果たすチームの在り方といった一連のアウトラインが重要であること,そしてSELの授業準備として学習指導案以外に,教材準備をコーディネートしてもらうことも円滑に行う要因であることが明らかとなった。一方で,実装を確かなものにするSELの5つのコアスキルの授業や学校教育活動への位置づけ,SELを底支えする点を十分に検討していない課題が見出された。さらに,高校1年生のソーシャルスキルの発達段階を検討した結果,学校特性や当該校の1年生であっても毎年ソーシャルスキルの特性には違いがあることが明らかになった。このことから,導入におけるアセスメントが改めて重要であることが示唆された。そこで来年度の研究では,長期継続実施校の事例を論文にまとめ、5つのコアスキルを軸に,各教科や学校教育活動とSELの関連を検討すること,さらには導入のプロセスの質的解明,実装に向けた教材の開発が課題となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目の研究計画を終えて論文執筆を行っている段階であり,概ね計画通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究における今後の研究は,長期継続実施校の事例を論文にまとめ、5つのコアスキルを軸とした学校教育活動との関わりに着目して年間指導計画に取り入れたSELの実施と、順次1年生から3年生まで継続して実施するSELを導入する高等学校において,事例的に1年目の導入のプロセスの質的解明し,実装に向けた教材の開発を行う計画である。
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Causes of Carryover |
初年度ということもあり,事前調査や文献資料の購読に予想外の日数を要し,また計画していた追加調査の必要性がなくなり,調査費用及び調査の人件費・謝金がかからなかった。そのため,教材開発,学会大会で成果発表を行う際の旅費等として用いる計画である。
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