2023 Fiscal Year Research-status Report
Mechanisms by which inhibitory functions influence rumination
Project/Area Number |
23K02920
|
Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
長谷川 晃 国際医療福祉大学, 赤坂心理・医療福祉マネジメント学部, 准教授 (00612029)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
|
Keywords | 反すう / 抑うつ / うつ病 / 抑制機能 / 実行機能 / 攻撃行動 / ストレス / 認知行動療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度には、抑制機能が反応抑制と注意の抑制という2要因に弁別可能であるのかを検討した上で、抑制機能が反すうや抑うつと関連するのか検討することを目的とした実験研究を実施した。国際医療福祉大学、専修大学、東海学院大学、徳島大学、および富山大学に在籍する、18歳から30歳までの大学学部生と大学院生218名を対象とした。参加者には、反応抑制を反映していると想定される3つの実験課題と、注意の抑制を反映していると想定される3つの実験課題を実施した。続いて、参加者には、反すう、抑うつ、攻撃行動、ストレスフルな出来事などを測定する質問紙に回答を求めた。抑制機能の6課題のパフォーマンスを用いた確認的因子分析の結果、すべての課題に影響を与える潜在変数を仮定したモデルよりも、反応抑制と注意の抑制という2つの潜在変数を仮定したモデルの方が、適合度が高かった。しかし、因子負荷量が低い課題も認められ、課題の修正を行う必要性が示唆された。また、抑制機能の各課題のパフォーマンスや潜在変数を用いた分析の結果、反応抑制を反映した一部の課題や潜在変数は抑うつとの有意な関連が認められた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度に実施する予定であった研究を終了したため。
|
Strategy for Future Research Activity |
2024年度には、「研究実績の概要」の項に記した研究の結果の公表を行う。続いて、反応抑制と注意の抑制を測定する課題に改善の余地があるため、その改善を試みた上で、抑制機能と反すうや抑うつとの関連について更なる検討を行う。
|
Causes of Carryover |
2023年度に実施予定であったデータ収集の一部を2022年度中に実施したが、その費用については2022年度の学内研究で賄った。そのため、2023年度の予算の多くを2024年度に繰り越すこととなった。2024年度には、2023年度に取得したデータの学会発表や論文化を行う予定であるため、繰り越した予算はそれらの費用にあてる予定である。
|
Research Products
(9 results)