2023 Fiscal Year Research-status Report
Clinical psychological approaches to support dialogical relationships that promote resilience
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23K02958
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
平野 真理 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 准教授 (50707411)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Keywords | レジリエンス / 対話 / ペアワーク / 予防的心理支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、レジリエンス(ストレス状況における適応・回復力)を、内在的能力としてのみ捉えるのではなく、個人を取り巻く他者との関係の中に存在する力として捉え、「対話的関係」を通してレジリエンスを促進する臨床心理学的アプローチを考案することである。 令和5年度はまず、(1)他者との関係を通して促進されるレジリエンスを捉える尺度作成のための基礎調査、および(2)対話的関係の中でお互いのレジリエンスを促進することを目指したペアワークの試験的実施を行った。具体的には以下のとおりである。 (1)ー①「身近な他者との関わりによって『落ち込みから回復する力』を得た体験」について回想する対話データを15名分取得し、想起され得るエピソードや要素の抽出を試みた。②それをもとに、自由記述によってエピソードを収集するためのアンケート調査票を作成して予備調査を行い、本調査に向けた準備を整えた。 (2)箱庭の作成とその後の対話を通してレジリエンスに気づくためのペアワークを実施した。10名の参加者による作品と体験の振り返りから、箱庭を用いることで自分がこれまでに得てきた関係的なレジリエンシーへの気づきが賦活される可能性を確認できた。 その他、個人のレジリエンスの発達的変化に関する基礎的知見を得るための調査および論文化にも取り組んだ。これらをもとに、関係性の中に生じるレジリエンスを捉える枠組みの精緻化および尺度作成と、「対話的関係」を通してレジリエンスを促進するための効果的な方法の検討を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1年目に実施する予定であった尺度作成のためのアンケート調査について、実施前に予備的なインタビュー調査が必要であると判断したため、今年度の実施ができなかった。 一方で、促進アプローチのための試験的実施については進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度実施予定であった尺度開発については、すでにアンケート調査が準備段階まで整えられているため、次年度はじめに実施し、その結果の質的分析を経て尺度作成のための調査に取り掛かる。 同時に、促進アプローチについては、順次、実施可能な対象ごとに効果的なアプローチを検討していく。
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Causes of Carryover |
今年度実施する予定であった尺度作成のためのアンケート調査が次年度に持ち越しとなったため、調査費用、研究補助者への謝金、および成果発表のための旅費、物品費等が未使用となっている。 次年度の調査実施に伴い、それらの費用が生じるため使用する予定である。
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