2023 Fiscal Year Research-status Report
The efficacy of brief cognitive behavioral therapy for somatic symptoms disorder by general practitioners
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23K02967
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
石川 由紀子 自治医科大学, 医学部, 准教授 (60406080)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 俊 筑波大学, 国際統合睡眠医科学研究機構, 准教授 (10617971)
塩田 勝利 自治医科大学, 医学部, 教授 (40398516)
松山 泰 自治医科大学, 医学部, 教授 (60458320)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Keywords | 認知行動療法 / 身体症状症 / 総合診療医 |
Outline of Annual Research Achievements |
身体症状症 (Somatic symptom disorder: SSD)へのアプローチ法は確立されておらず、症状の改善が困難で、遷延する場合がしばしばある。SSD 患者への心理教育として、認知行動療法 (Cognitive behavioral therapy: CBT) による介入の効果はシステマティックレビューでも示されている。しかしながら有効とされている高強度のCBTについて、実施可能な施設は限られている。一方でSSD の患者は原因不明の身体症状を有するという理由で、大学病院総合診療内科へ受診することが多い。このような状況で総合診療医はそれぞれの診療の方法で、身体及び心理両面へのアプローチを試みている。したがって、総合診療医による心理療法の確立が望まれる。そこで我々は、診療時に簡易的な CBT を導入するための心理教材がSSD 患者の症状を改善させるかを検討する。 研究の実績については、令和5年度は臨床試験の実施のための整備のため倫理申請を行い研究許可を得た。データ収集のため問診票入力システムを整備した。患者対象研究として、ヒストリカルコントロールとして総合診療医が従来の方法で診察するSSD患者(通常診療群)を募集した。令和5年12月からSSD患者(通常診療群)のリクルートを開始し、現在6名の患者に協力を頂いているが、患者募集を今後促進させる。エントリー後は、6カ月後、12カ月後に追跡のデータ収集を行う。 エントリー患者の概要:登録者数6人(うち男性は2人)、年齢の中央値は50歳 [4分位範囲(IQR): 36-62]、罹患期間の中央値は5年(IQR:3.5-6.5)、精神科受診歴有は1名、睡眠薬・安定剤内服ありは4人、各心理テストの中央値 (IQR)については、PHQ15は4点(10-16)、PHQ9は14点(8-16)、GAD7は6.5点 (4-11) であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和5年度は臨床試験の実施のための整備を行った。令和5年の交付決定後、速やかに倫理申請を行ったが、本研究には患者対象と医師対象の2つのグループがあるため、それぞれに対する倫理申請が必要とされた。その結果、2つの別個の研究として再度倫理申請を行わなければならず、再申請に時間を要した。これにより、研究許可通知の取得が遅れ、患者募集が予定より遅れた。令和5年12月に患者募集を開始しましたが、当初の予想よりも対象者が集まらない状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きSSD患者(通常診療群)の募集を行い、フォローアップを1年行う。この患者群において心理的介入について詳細に話すことができる対象者を選定し、かつ同意を得たのち、半構造化されたインタビューを行う。さらに、総合診療医を対象として、SSD診療に関してグループ・フォーカスインタビューを行うことにより、質的検証を行う。これらの患者対象、および医師対象研究のデータ収集を令和6年12月に終了し、令和7年に解析を予定する。文献レビューやCBTを実施している研究機関へのヒアリングを行い、CBT導入するためのハンドブックを作成する。本ツールの効果を検証するため、平成7年12月以降、SSD患者(ハンドブック使用群)を募集し、ベースライン時と1年後のデータを収集する。ハンドブック使用群から対象を抽出し、質的研究を行う。CBT導入のためのツールの実装の視点から、ハンドブック使用開始後1年後に、総合診療医を対象として本ツール導入に関して、阻害因子と促進因子を検証する。
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Causes of Carryover |
主な理由は対象者の募集が遅れたことにあります。令和5年の交付決定後、速やかに倫理申請を行いましたが、本研究には患者対象と医師対象の2つのグループがあるため、それぞれに対する倫理申請が必要とされました。その結果、2つの別個の研究として再度倫理申請を行わなければならず、再申請に時間を要しました。これにより、研究許可通知の取得が遅れ、患者募集が予定より遅れました。令和5年12月に患者募集を開始しましたが、当初の予想よりも対象者が集まらない状況にあります。質的研究においては、募集した患者からインタビューに適した患者を抽出する予定ですが、現時点で適切な患者がまだ特定されていません。そのため、データ収集のためのデバイスや解析ソフト、人件費を確保したものの、データ収集に未着手であるため、これらの購入や支払いが行われず次年度といたしました。
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