2023 Fiscal Year Research-status Report
セルフ・コンパッションによるいじめ被害者・保護者へのスティグマ軽減プログラム開発
Project/Area Number |
23K02989
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Research Institution | Saitama Gakuen University |
Principal Investigator |
遠藤 寛子 埼玉学園大学, 人間学部, 准教授 (30364425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青山 郁子 都留文科大学, 文学部, 教授 (60586808)
飯田 順子 筑波大学, 人間系, 准教授 (90383463)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Keywords | いじめ / スティグマ / ケアプログラム / 心理教育 / 保護者 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,全般的にいじめの増加傾向が著しい。いじめ被害を受けた後,被害者は相談を躊躇する傾向にあるばかりか精神的健康も害され,生涯にわたり苦痛を抱え続けることが示されてきた。被害後のケア方法の確立は急務である。 今年度では,いじめ被害者へのパブリック・スティグマ,セルフ・スティグマに着目し,大学生ならびに保護者に対する調査を実施することを予定していた。 実施した内容は以下の通りである。 第一に,大学生,保護者を対象に,いじめ被害者に関わるパブリック・スティグマに関する質問紙調査を行った。また,被害経験有・無とパブリックスティグマとの関連性についての検討も行った。さらに,いじめ被害者へのパブリックスティグマ尺度の作成を目指し、候補項目の選定に向けて内容的妥当性を検討した。 第二に,大学生と保護者を対象に傍観者,加害者に抱くイメージについても質問紙調査を実施し,被害経験との関連性についても検討した。 第三に,加害行動を助長させ得る可能性のあるシャーデンフロイデ,妬みに着目し,それらを抑止する要因についても文献研究を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
いじめ被害者に関する質問紙調査は,予定通り,大学生ならびに保護者を対象に実施している。また被害経験の有無との関連,さらには傍観者,加害者に関する自由記述式の調査も実施している。この結果の一部は2024年度の心理学会にて報告する予定にもなっている。しかしながら,いじめ被害者自身への調査に関しては検討課題が多かったため,当初計画していた以上の時間を要することとなった。よって,いじめ被害者対象の調査に関しては慎重に進めていることもあり,やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き,相談を行う側である被害者自身とその相談を受ける側としての保護者の双方に対する調査を実施する予定である。保護者(被害者の保護者以外も含む)を対象に,パブリック・スティグマ,セルフ・スティグマによるネガティブな影響(支援態度)の関連性を明らかにする。いじめを経験した被害経験者を対象に,スティグマの様相を捉え,ネガティブな影響(健康度,相談意欲)の関連性についても検討を進める。 学会発表、論文執筆を通して成果報告を行う予定である。
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Causes of Carryover |
学会発表等の金額の旅費を想定していたが,次年度に廻したこと,また,研究者間での打ち合わせはほぼオンラインを通じて行われたことで結果的に予算に余裕がでてきた。さらに,いじめによる事件が相次いで報道されていたこともあり,被害者自身に関わる質問紙調査の時期を次年度以降に見合わせた。代わりに加害者の行動を抑止に関わる文献研究を進めた。
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