2023 Fiscal Year Research-status Report
Geometric aspects of the free-fermion and the non-commutative Schur functions
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23K03056
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
岩尾 慎介 慶應義塾大学, 商学部(日吉), 准教授 (70634989)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 旗多様体 / 量子コホモロジー / 量子K理論 / 対称多項式 |
Outline of Annual Research Achievements |
コホモロジー理論とは、様々な代数多様体の「形」を計算する代数的技術である。代数的トポロジーの分野では、多様体に対して定まる「コホモロジー」とよばれる環を観察することで多様体の「形」に関する情報を得る。また、コホモロジー以外にも、「K-理論」「一般コホモロジー」など、多様体の「形」を知るのに有用な環構造が開発されており、それぞれが重要な研究対象である。 本研究では、旗多様体と呼ばれる基本的な多様体の「量子K理論」を研究対象とする。旗多様体の量子K理論は、アフィングラスマニアンの「K理論」と同型であることが知られており(「K-ピーターソン同型」)、この同型を通じて2つの代数を比較し、旗多様体の「形」に関するさまざまな情報を得ることができる。本研究代表者の先行研究では、K-ピーターソン同型を、物理数理の方程式の一つ「相対論的戸田方程式」の技術を用いて構成した(T.Ikeda, S. Iwao, and T. Maeno "Peterson Isomorphism in K-theory and Relativistic Toda Lattice", IMRN 2020, (19), 6421-6462)。本年度はその結果を発展させて、アフィングラスマニアンのK理論の分析に重要な「K-ホモロジーシューベルト計算」を行い、閉k-シューア関数が、k-カタラン関数を用いて記述できることを証明した。(本結果はAmerican Mathematical SocietyのTransactions, Series Bに掲載済みである。)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度には、本研究の目的に沿う一定の成果を得ることができた。これらは査読付き学術論文誌Transactions of the American Mathematical Society, Series Bにて出版されており、おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は本年度の成果に基づき、より多くの応用が見込める「同変量子コホモロジー」の解析を行う。現在、この内容について一定の成果が得られており論文の執筆、および国際研究集会での発表を準備中である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの影響により、2023年度計画されていた国内研究集会(神戸大学・名古屋大学)がオンライン開催に切り替わったため。2024年度は、研究成果発表(論文作成・講演発表)の費用として使用予定である
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