2023 Fiscal Year Research-status Report
ダイナミカル・リフレクション写像と関連する代数の研究
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23K03062
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
澁川 陽一 北海道大学, 理学研究院, 准教授 (90241299)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 商圏 / ダイナミカル・ヤン・バクスター写像 / ガーサイド理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
F. A. Garsideは,学位論文で,アルティン・ブレイド群に対する共役問題(conjugacy problem)を解決した.これは,群の表示を一つ固定したときに,群の元が共役であるための判定方法を与えることを意味する.Garsideの得た結果は,E. Brieskorn-K. SaitoやP. Deligneにより,有限コクセター群に付随した一般ブレイド群に拡張された.これらの研究やさらなる一般化の中で利用された一連の手法を,ここではガーサイド理論と呼ぶことにする.この理論は,現在のところ,圏を用いて定式化されている.よく知られているように,群は,すべての射(morphism)が可逆でただ1つの対象(object)のみをもつ特殊な圏と見なされる.ガーサイド理論は,このような見地からGarsideらの研究手法を圏論的に一般化して捉え直したものである.このようにすることで,数多くの数学的対象に適用可能な理論が構築されている. 本年度の研究では,(量子)ヤン・バクスター方程式の写像解の一般化にあたるダイナミカル・ヤン・バクスター写像から商圏(quotient category)を定義し,さらに,この商圏の性質を,ガーサイド理論を用いて明らかにするための準備研究を行った.具体的な研究成果は,ガーサイド理論に現れるweak RC systemの拡張に関連して,必要な修正を明らかにしたことである. 集合上のヤン・バクスター方程式の写像解から定義される商圏は構造群と呼ばれている.既存の研究により,この構造群は一般ブレイド群と同様のよい性質を持っていると解明されており,本研究は,この研究結果の一般化を試みるものである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ダイナミカル・ヤン・バクスター写像から定まる商圏の性質に関する研究が進んでいて,当初の計画であるダイナミカル・リフレクション写像に関連した代数の構成に関する研究の進展が少ないため.
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は,ダイナミカル・リフレクション写像に関連した代数の構成に関する研究の進展を図る.
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Causes of Carryover |
本年度はダイナミカル・ヤン・バクスター写像から定まる商圏に関する研究を推進したため,ダイナミカル・リフレクション写像に関連した代数の構成に関する研究があまり進展しなかった.このため次年度使用額が生じた.当該助成金は,翌年度分として請求した助成金と合わせ,研究打合せや成果発表などの旅費として使用する計画である.
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