2023 Fiscal Year Research-status Report
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23K03113
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
鳥居 猛 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 教授 (30341407)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Keywords | 安定ホモトピー論 / クロマティックホモトピー論 / 安定無限大圏 / 無限大双圏 / ラックス自然変換 / メイト対応 / 表現のモジュライ / Hochschildコホモロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
クロマティックホモトピー論では、複素コボルディズムを通して形式群のモジュライスタックの代数幾何学的構造を用いてスペクトラムの安定無限大圏を研究する。Morava K理論で局所化された安定ホモトピー論はMorava安定化群の表現論と密接に関係しており、また、トランス・クロマティック・ホモトピー論では、異なる高さに対応する局所化されたスペクトラムの安定無限大圏の関係について研究する。これらを背景として研究を行い、以下の成果を得た。 X,Yを無限大双圏とする。XからYへの関手を対象とし、対象ごとに左随伴であるようなオプラックス自然変換を射とする無限大双圏と、XからYへの関手を対象とし、対象ごとに右随伴であるようなラックス自然変換を射とする無限大双圏を考える。このとき、対象ごとには恒等射であり、射に対してはそのメイト(Beck-Chevalley変換)を対応させることにより、無限大双圏の間の自然なbidual同値が存在すると期待されている。この無限大双圏の同値を無限大圏の同値に落とした主張について、無限大双圏のモデルであるscaled単体集合を用いた組み合わせ的な証明を与えた。 この証明のために、無限大双圏の中の捻じれた射のなす無限大圏を一般化した、捻じれた自然変換のなす無限大圏を導入した。捻じれた自然変換のなす無限大圏は、XからYへの関手を対象とし、ラックス自然変換を射とする無限大圏と、XからYへの関手を対象とし、オプラックス自然変換を射とする無限大圏の直積への関手を備えている。捻じれた自然変換のなす無限大圏を適切な部分圏に制限することにより、上記同値を誘導する無限大圏の完全なペアリングが得られるを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
トランスクロマティックホモトピー論への応用を目指して無限大双圏の基本理論の研究を進めているが、当初計画していた局所化された安定ホモトピー論の間の関係の研究としてはやや遅れていると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
局所化されたスペクトラムの余加群モデルおよびMorava安定化群の作用をもつ離散スペクトラムモデルを用いて、異なる高さに対応する局所化された安定無限大圏の間の関係について研究を継続する。
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Causes of Carryover |
研究集会がハイブリッドでの開催に変更になった等により、当初予定していた額を使用できなかったことが主な理由である。次年度の使用計画としては、国内の研究集会の開催や参加および協力、共同研究のための打合せに主に使用する予定である。
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