2023 Fiscal Year Research-status Report
Jointly convex operator perspective map having the power monotone property.
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23K03141
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Research Institution | Kisarazu National College of Technology |
Principal Investigator |
和田 州平 木更津工業高等専門学校, 情報工学科, 教授 (00249757)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 量子遠近法写像 / 対数平均 / 作用素エントロピー |
Outline of Annual Research Achievements |
Hilbert空間上の正作用素について遠近法を用いて定義された2変数関数を量子遠近法と呼ぶ。本研究の目的は量子遠近法写像の性質を明確にすることである。今年度は「対数平均の一般化」を念頭にして、そこから得られる量子遠近法写像について考察した。一般化された対数平均として最初に考察したのは、量子情報理論や熱力学などでも登場する関数で、一般化対数関数の比として定義される一般化対数平均である。筆者はこの関数の振る舞いについて調査し、さらにそれを踏まえて、この関数から得られた量子遠近法写像の不等式について考察した。この考察によって、Tsallis 相対作用素エントロピーに関する知見を得ることができた。さらに幾何学的な観点から重要となる正作用素の2種類のメトリックについての知見も得られた。 筆者が次に考察したのは、作用素幾何平均のアベレージとして定義された一般化対数平均の振る舞いである。得られた結果のうち、特に重要なものとしては、ベータ関数を用いて[0,1]区間上の正測度を定義し、これによってアベレージを定義した場合の一般化対数平均関数の動きである。この結果により、従来未解決であった、「自然な形での、重み付き対数平均の定義」に関する試案を提供できたと思われる。 2種類の「一般化対数平均」について上で述べたが、両者が一致する場合はまれであろうと容易に予想できる。筆者は、両者が一致するための必要十分条件を明確にした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目的では、同時凸となる量子遠近法写像についての考察が必要となるが、今年度は対象とした量子遠近法写像の性質及びその応用に注力したため、同時凸性については時間切れとなった感があった。しかしながら、今年度の研究をまとめた結果が査読付き論文誌に掲載決定しており、一定の評価は得られたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は同時凸性に焦点を当てた考察を行いたいと考えている。
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Causes of Carryover |
本研究における初段の研究成果が、予定より遅れて出たことによる。今後、本成果について講演等行うとともに次段の考察に取り組む。
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