2023 Fiscal Year Research-status Report
Research on integrable two-dimensional partial difference equations using the theory of consistency around a cube property
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23K03145
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
中園 信孝 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (40835162)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Keywords | 離散可積分系 / 立方体上のコンシステンシー / 離散パンルヴェ方程式 / affine Weyl 群 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,可積分な2次元偏差分方程式の理論について,以下の研究を行なった。 CAC propertyを持つ高次元偏差分方程式系からパンルヴェ型の高階常差分方程式系への簡約化: 変形KdV方程式の離散類似としてlattice modefied KdV (lmKdV)方程式が知られている。また,lmKdV方程式の極限操作で得られる可積分な偏差分方程式としてBollのD4方程式がある。lmKdV方程式とD4方程式の組み合わせによりConsistency around a cube (CAC) propertyとよばれる可積分性を持つ高次元の偏差分方程式系(lmKdV-D4系)が構成できる。 昨年度の報告者の研究成果により,lmKdV-D4系にある周期条件を課すことで,A6型およびA4型曲面上の離散パンルヴェ方程式を2階の場合として持つパンルヴェ型の高階常差分方程式系(qP(A6)系,qP(A4)系)が導出できることが判明した。また,qP(A6)系およびqP(A4)系がaffine Weyl 群対称性を持つことも判明した。 本年度は,CAC propertyを持つ別の偏差分方程式系の簡約化により,qP(A4)系の対称性が拡張できることを示した。また,(1) lmKdV-D4系に課す周期条件の種類を変えることで 様々なパンルヴェ型の高階常差分方程式系が得られること,(2) それらの高階常差分方程式系が極限操作による退化で対応付けられることを示した。これらの研究成果をまとめて論文誌に投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,「CAC propertyを持つ高次元偏差分方程式系からパンルヴェ型の高階常差分方程式系への簡約化」についての研究に取り組み,十分な成果を得ることができた。さらに,研究の成果を論文の形にまとめて論文誌に投稿した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は,これまでに得られた成果を用いて2次元偏差分方程式のコンシステンシーの理論の拡張や応用などに取り組む予定である。また,これまでに得られた結果をまとめて国際会議や論文誌に論文を投稿,および,国内外の学会で講演するなどの方法で成果の発表をおこなう予定である。
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Causes of Carryover |
本年度は生活環境が変わり旅費を使用できなかったため,旅費に使用する予定であった分を次年度に繰り越すことにした。令和6年度は,生活が落ち着いていれば旅費にも使用する予定である。
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