2023 Fiscal Year Research-status Report
幾何解析の視点を融合した無限次元空間上の確率解析の新展開
Project/Area Number |
23K03155
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
河備 浩司 慶應義塾大学, 経済学部(日吉), 教授 (80432904)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石渡 聡 山形大学, 理学部, 准教授 (70375393)
楠岡 誠一郎 京都大学, 理学研究科, 教授 (20646814)
難波 隆弥 京都産業大学, 理学部, 准教授 (20843981)
星野 壮登 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 准教授 (20823206)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 確率論 / 確率解析 / 確率偏微分方程式 / 大域解析学 / 離散幾何解析 / マリアヴァン解析 / Dirichlet形式 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は, 分担者の石渡氏と共に, 前研究課題で行ったリーマン多様体上のドリフト付きシュレーディンガー半群の離散近似の研究成果をまとめた論文の改訂作業に時間を割いたが, 最終的には海外の有力総合誌から出版された。また夏に東京で行われた国際学会ICIAMでの講演をきっかけに, 多様体学習の著名研究者数名と知り合うことが出来, 冬にニューヨーク大学のHau-Tieng Wu氏を慶應に招いて研究連絡を行った。ここでの議論がきちんとした研究の形になるかはまだ未知数だが, 次年度以降に深めていきたい。また分担者の難波氏が, 確率測度値拡散過程であるFleming-Viot過程の離散近似の研究で成果を挙げたが, この研究との新たな融合研究を模索している。
また前研究課題(20K03639)で, 分担者の星野氏, 楠岡氏と(2次元トーラス上の)exp(φ)_{2}量子場の確率量子化を実現する放物型特異確率偏微分方程式の研究を行ったが, 生成作用素の一意性問題に興味を持ち続けている。この問題は以前にAlbeverio氏, Roeckner氏らと解析的手法で取り組んだことがあったが, 駆動するノイズが有色雑音の場合にしかできておらず, 白色雑音の場合は特異確率偏微分方程式の手法を本格的に用いないといけないと思われる。また本年度に入り, リーマン多様体上のΦ^4量子場の確率量子化を実現する特異確率偏微分方程式の研究にも大きな進展があった。上記の離散近似の研究成果が確率量子化の離散近似の研究を行う際の基本的な道具になり得ることも期待できる。本年度は対面での研究集会も増えたので, これらの研究情報収集もやりやすかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の影響で, 前研究課題(20K03639)「幾何学的視点を融合した無限次元空間上の確率解析の研究」が延長された。前研究課題での研究に重点を置いたために, 本研究課題の進展が遅れてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は, 在外研究でOxford大学に滞在し研究に従事することになっている。OxfordにはGubinelli氏など本研究課題に関係する著名な研究者も多いので, 彼らとの交流を通して研究を推進させたい。その間も国内にいる分担者とはzoomを利用して研究連絡を行う。
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Causes of Carryover |
前研究課題(20K03639)「幾何学的視点を融合した無限次元空間上の確率解析の研究」との重複があったため。次年度はOxford大学に滞在するので, 滞在費の一部に使用する予定である。
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