2023 Fiscal Year Research-status Report
グラフ・マトロイド・凸幾何の組合せ構造と関連する離散最適化の研究
Project/Area Number |
23K03194
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
佐野 良夫 筑波大学, システム情報系, 准教授 (20650261)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
|
Keywords | グラフ / マトロイド / 凸幾何 / ポセット / 組合せ構造 / 離散最適化 / アルゴリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、半順序集合上のマトロイド的構造の1つであるポセット・マトロイドについての研究を進めた。ポセット・マトロイドとは、1972年に F. D. J. Dunstan, A. W. Ingleton, D. J. A. Welsh によって導入された概念であるスーパーマトロイドを分配束上で定義したものである。これは凸幾何上のマトロイドの特殊な場合と考えることができる。ポセット・マトロイドに対する交叉問題(最大共通独立集合問題)に関して、1990年に E. Tardos はポセット・マトロイド交叉についての最大最小定理を与えている。しかしながら、ポセット・マトロイドに対する交叉問題を解く多項式時間アルゴリズムは知られていない。 今年度の研究では、長さ2のチェインと1点の非交和を誘導部分半順序集合として含まないような半順序集合上に定義されるポセット・マトロイドに対して、その交叉問題を解く多項式時間アルゴリズムを与えた。また、この研究結果について、国際会議「The 25th Indonesia-Japan Conference on Discrete and Computational Geometry, Graphs, and Games (IJCDCG^3 2023)」および国内学会「日本オペレーションズ・リサーチ学会 2024年春季研究発表会」において、指導学生の1人が発表を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
グラフ・マトロイド・凸幾何の組合せ構造と関連する離散最適化の研究において、いくつかの研究成果が得られたため、研究はおおむね順調に進展していると言える。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の今後の推進方策としては、引き続き、グラフ・マトロイド・凸幾何の組合せ構造についての理論研究を行うとともに、関連する離散最適化についての研究も進めていくことで、研究課題に関する研究成果がさらに得られるように推進していきたいと考えている。
|