2023 Fiscal Year Research-status Report
Ramsey-type problems from graph-invariants
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23K03204
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
古谷 倫貴 北里大学, 一般教育部, 准教授 (40711792)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Keywords | グラフ理論 / ラムゼー型問題 / 禁止グラフ / 道被覆数 / Gyarfas-Sumner予想 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題の初年度であった2023年度は,研究計画で掲げていた不変量版ラムゼー型問題を広く扱うという目標を達成するべく,道被覆数や道分割数といった道グラフを用いたグラフ不変量と,支配数的不変量という2つの観点から研究を進めた. 道グラフによる被覆・分割問題については,私自身が以前に解決した無向グラフの成果を基礎とすることによって,有向グラフと有向道に関する類似的なラムゼー型問題を解決することに成功した.有向グラフにおける禁止グラフ条件の研究自体は数多く報告されているものの,その条件の特徴付けという観点からの研究は行われてこなかった.これは無向グラフに比べて問題が複雑化する傾向にあるという事実に由来すると考えられる.そこで本研究ではそれを(過去の研究と合わせて)段階的に解決するという方針によって克服した.このような研究方針や証明技法は,今後の有向グラフにおける禁止グラフ条件の進展にも役立つものであると期待できる. 支配数的不変量に対する研究では,それらの値を最も小さくするための禁止条件を特徴付けるという観点,すなわち古典的なラムゼー数R(n)についてnが小さい場合の決定に相当する問題に着目した.その結果として,いくつかの不変量に関する同問題を解決することができた.一方で,不変量によっては禁止条件が複雑化してしまい,長い議論を要しても解消できないものの存在が確認できた.今後はこのような問題の難易の差の把握が重要であると考えている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多くの不変量に対してラムゼー問題を考察した結果,妥当かつ有用な問題設定を提唱し得る不変量が複数発見された.特に,道被覆数や道分割数について付与した条件と禁止グラフ条件の対応が分かり易く表現されることが判明したため,初年度の目標としていた禁止グラフの役割の把握についての研究が大きく進展したと言える.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き禁止グラフ条件の役割の理解を目指し,様々な不変量に対してラムゼー問題を考察する予定である.特に,本研究で着目している「完全グラフ型」「星グラフ型」「道グラフ型」という主要な禁止条件のうち,これまで扱ってきたラムゼー型問題では道グラフ型のものが担う役割が小さかった.そこで,道グラフ型の禁止条件を要とするようなラムゼー問題の発見を中心に研究を進めていく.
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Causes of Carryover |
他の科研費(若手研究)の実施期間を延長したことから,総合すると2023年度は当初予定していたよりも多くの予算があった.それに伴い,本研究課題の予算から捻出する予定であった出張費や物品費の一部を他から捻出した.また,予定していたパソコンの購入を次年度に回すことにした.以上の理由から次年度使用額が生じた. 次年度使用額は,予定しているパソコンの購入,および新たに予定された研究打合せに充てる.
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