• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2023 Fiscal Year Research-status Report

異方性弾性波動場の係数同定問題に対する安定な数値解法開発に向けた基礎的研究

Research Project

Project/Area Number 23K03236
Research InstitutionAichi Prefectural University

Principal Investigator

代田 健二  愛知県立大学, 情報科学部, 教授 (90302322)

Project Period (FY) 2023-04-01 – 2028-03-31
Keywords係数同定問題 / 弾性波動場 / 抽象勾配法 / 内部観測 / 境界観測
Outline of Annual Research Achievements

今年度は,研究目的(i)の「H2勾配法を応用した線形等方性弾性波動方程式のラメ係数同定問題に対する数値的に安定な解法の開発」を実施した.既に開発済みの「内部観測データによる等方性弾性波動方程式のラメ係数同定問題に対するH2勾配法」では,与えられたデータによって著しく精度が低下するという事実が明らかになっているため,問題設定において,内部観測のみではなく弾性体表面において表面力を観測データとして付加することで,精度の低下を防ぐことを試みた.設計変数とシグモイド関数を用いた密度型係数関数を導入することで,制約条件なしの密度型ラメ係数同定問題を導入し,さらに内部観測データと境界観測データを用いた二乗積分による密度型汎関数の最小化問題へ元の問題を帰着させた.最小化問題を解く手法として,開発済みのH2勾配法を採用することで数値計算アルゴリズムを導出した.本研究成果については,2024年6月に開催される第29回計算工学講演会での発表を予定している.なお開発手法において仮定している境界観測データは表面力であるが,この場合,理論的に汎関数のGateaux微分の存在を保証するためには,時間方向および空間方向における一定以上の滑らかさおよび3次までの整合条件を満たすことが必要とされる.そのようなデータを実モデルで仮定することは困難であるため,次年度以降は,内部変位とともに内部ひずみの使用,また表面変位を観測データとして採用した場合についても考察し,実用に耐えうる方法を開発していく.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

研究計画では線形弾性波動方程式について2023年度半ばに終了させる予定であったが,汎関数のGateaux微分の導出に予定より時間を要したこと,また本研究にも有用な関連研究「波動方程式の順問題に対する直接的数値解法の開発」に大きな進展があり,そちらの研究を優先させた期間があったため,今年度までに終了させることができなかった.以上の理由により,現在までの進捗状況として「(3) やや遅れている。」とした.

Strategy for Future Research Activity

令和6年度半ばまでに「(i) 線形等方性弾性波動方程式のラメ係数同定問題に対する数値解法の開発」について,実用を視野に入れた問題設定の検討および,その設定に対する同定手法を確立する.その結果をもとに「(ii) 線形等方性粘弾性波動方程の粘弾性係数同定問題に対する数値解法の開発」を実施する.具体的には,(i)で開発した方法を応用し,数値計算アルゴリズムを導出する.数値実験により有効性,特に粘弾性に伴う減衰効果の同定結果への影響を明らかにすることで,令和7年度以降の同定精度向上検討の基盤づくりを実施する.

Causes of Carryover

当初使用予定であった学会への旅費を,延長した別課題で負担したため,次年度使用額が生じることになった.使用額については,6月に開催される「第29回計算工学講演会」などの学会へ参加するための旅費および参加費支出に充てる予定である.

  • Research Products

    (1 results)

All 2024

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] H1型勾配法を用いた弾性波動方程式の係数同定問題に対する数値再構成手法2024

    • Author(s)
      代田健二
    • Organizer
      第29回計算工学講演会

URL: 

Published: 2024-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi