• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2023 Fiscal Year Research-status Report

保護区域を伴う被食者-捕食者モデルの解構造に非線形拡散が及ぼす影響の解明

Research Project

Project/Area Number 23K03241
Research InstitutionKyushu Sangyo University

Principal Investigator

大枝 和浩  九州産業大学, 基礎教育センター, 講師 (70580364)

Project Period (FY) 2023-04-01 – 2026-03-31
Keywords反応拡散方程式 / 非線形拡散 / 被食者-捕食者モデル / 保護区域
Outline of Annual Research Achievements

反応拡散方程式で記述される被食者-捕食者モデルについて、数学的な解析を行った。被食者-捕食者モデルの研究では、例えば、どのような条件下で被食者と捕食者が共存できるかなどを数学的に明らかにすることが目的となる。
本研究では、特に、被食者のための保護区域(すなわち、被食者は自由に出入りできるが、捕食者は入ることができない区域)が存在するモデルについて、非線形拡散項を含むモデルを解析した。ただし、本研究における非線形拡散項とは、「捕食者が被食者(すなわち、捕食者にとっての餌)の高密度な場所に移動する」ことを表すattractive transition型の拡散項(移流項)である。
当該年度は、分岐理論などを用いることにより、正値定常解(被食者と捕食者の共存状態を意味する解)の存在定理を得た。また、非線形拡散項の係数を無限大にしたとき(言い換えると、非線形拡散の影響を限りなく大きくしたとき)の正値定常解の漸近挙動について解析した。その結果、漸近挙動は2つの可能性があることが分かった。さらに、ある条件下(具体的には、方程式の係数がある条件を満たすとき)では、2つのうちのどちらになるのかについても解明できた。しかし、完全解明には至らなかった。特に、空間次元が2次元以上の場合は未解決な部分も多く残ったが、空間次元が1次元の場合は、非線形拡散項の係数を無限大にしたときの解の形状なども含めて、一定の研究成果を得ることができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

研究以外の業務量が多かったため、十分な研究時間を確保できず、予定通りに研究が進まなかった。しかし、次年度は研究以外の業務量が減るので、十分な研究時間を確保できる見込みである。また、保護区域と非線形拡散を伴う被食者‐捕食者モデルについて、一定の成果は得られており、さらに、未解決問題の中には、具体的な解決策が見えているものもある。従って、次年度に遅れを取り戻せると考えている。

Strategy for Future Research Activity

引き続き、被食者のための保護区域が存在する被食者-捕食者モデルについて、数学的な解析を行う。特に、正値定常解集合の構造に非線形拡散が及ぼす影響を解明する。具体的には、非線形拡散項の係数を無限大にした時の正値定常解の漸近挙動や解の形状などについて、次年度は今年度よりも詳細に解析する。まず、空間次元が1次元の場合を考え、その後、2次元以上の場合も考える。そして、口頭発表及び査読付き学術雑誌への論文投稿を行う。

Causes of Carryover

購入したノートパソコンが、入札で当初の見込みよりも費用が抑えられた。また、多忙や都合により、参加を計画していた学会や研究集会に参加できなくなった。そのため、当該年度に割り当てられた額を、当初の計画に沿って使用することができなかった。次年度は、十分な研究時間を確保できる見込みであるため、学会や研究集会に参加する旅費などに本研究費を充てる予定である。

URL: 

Published: 2024-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi