2023 Fiscal Year Research-status Report
Unraveling anomalous transport in turbulence via two-time correlation function of Lagrangian velocity
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23K03247
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松本 剛 京都大学, 理学研究科, 助教 (20346076)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 乱流のLagrange速度相関 / 乱流の2粒子相対拡散 |
Outline of Annual Research Achievements |
水に砂糖などを溶かすときには、水をかき混ぜて乱流をおこすことで早く溶けるようになる。この日常的に誰もが行っていることは、乱流の特徴のひとつである高い混合能力を利用したものである。こうした混合や輸送の能力を測る方法は様々あるが、乱流研究での有力な方法は次のものである。乱流によって流される粒子を2つ考えて、最初にこの2粒子間の距離が小さいものとする。次に、時間とともに流される2粒子間の距離がどのように大きくなっていくか?を調べる。およそ100年前に最初の観測実験がおこなわれ、2粒子間の距離は時間の3乗で増加すると結論された。この3乗という指数は他の系と比べてとても大きく、乱流の著しい特徴と考えられている。しかし、現代の数値シミュレーションや実験室実験において、時間の3乗で増加することは明確に観測されない。 本研究では、2粒子の速度(Lagrange速度)の間になんらかの非自明な相関があり、それが原因となって3乗則からのズレが生じているのではないかと予想している。今年度は、数値シミュレーションで乱流によって流される多数の粒子を追跡し、その速度の相関を精度よく決定するための条件を探った。この結果、粒子追跡に必要な速度の補間についての精度の検証を行い、かなりの程度滑らかさを保証するもの必要であることが判明した。また、予備的な速度相関の計算を行った結果、相似則が示唆されている。さらに、3乗則からのズレをもたらす原因の一つに2粒子間の最初の距離もあげられる。この初期距離と速度の相関がどのように関係するかについての理論的な考察もおこなった。この結果、初期距離を小さくとる場合に速度相関の関数型によって2粒子間の距離が影響をうけることも判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要でのべたように、粒子追跡に必要な速度の補間の精度について、当初の予想よりも高いものが必要であることが今年度の研究で判明した。2次元乱流を対象とした我々の先行研究では速度の補間の精度は最低次のもので十分であった。しかし、本研究では、2粒子間の初期距離依存性を系統的に研究するためLagrange速度相関をフーリエ空間でも考察することとした(我々の先行研究ではフーリエ空間では考察しなかった)。この結果、精度の高い補間法が必要になった。
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Strategy for Future Research Activity |
より高次の速度補間法を実装してフーリエ空間でのLagrange速度相関の関数型を精度よく数値計算する。とはいえ、精度と計算時間のトレードオフが問題となるので、ある程度の試行錯誤を行い、妥協点をさぐることが必要となる。フーリエ空間および実空間での速度相関のきれいなデータが得られれば、あとは当初計画どおりに研究を推進する。
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Causes of Carryover |
中規模の計算機を備品として購入する計画であったが、計算機価格の高騰によって本研究に必要な性能をもつものの購入が難しくなった。しかし、他経費との合算によって予定に近い計算機を購入することができた。しかし、同時に購入予定であったコンパイラについてはCPUの違いから動作確認がとれなかったためコンパイラ購入を2023年度には見送った。このために次年度使用額が生じた。使用計画はコンパイラの動作確認がとれたので2024年度中にコンパイラを購入する。
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Research Products
(1 results)