2023 Fiscal Year Research-status Report
Multivariate analysis methods for optical imaging measurements of macroscopic inhomogeneous structures
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23K03283
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
真中 浩貴 鹿児島大学, 理工学域工学系, 助教 (80359984)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 機械学習 / 方向統計学 / 複屈折 / イメージング技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では, 不均質材料の内部構造をリアルタイムに観察できる光イメージング測定法を開発するため, 今年度は実験データの最適な採掘法を確立することを目指した。具体的には, 量子常誘電体SrTiO3に231MPaの外力を印可しながら取得した複屈折イメージングデータを用いて, 1枚の画像に含まれる全画素データをまとめて解析する方法を開発した。 これまで行ってきた複屈折像の解析では, 数万画素分のデータの中からなるべく均一な特徴を示す小さな領域を抽出して解析を行ってきた。しかし, この方法では解析領域の選択の恣意性が排除できないため, 本研究では機械学習を用いて全画素分のデータをまとめて解析する方法を開発した。 一般に機械学習は線形統計学を基礎として構築されているため, 偏光状態を表す角度データをそのまま入力することは出来ない。そこで本研究では, 方向統計学を用いて, 角度データを機械学習に適した形式へと変換し, そのデータを用いて教師なし機械学習の代表例であるK-meansクラスタリング法を実行することで, 複屈折量の特徴が異なる複数のグループに分けることを試みた。その結果, 試料全体の2%弱の領域において応力が集中しているため位相差が局所的に大きくなる場所を特定することに成功した。さらにその領域では強誘電転移温度が高く, 大きな自発分極が出現するが, 一方, 他の領域よりも自発分極の方向がより乱れていることも分かった。この結果より, 複屈折イメージングデータに方向統計学を適用することによって, 様々な機械学習が利用できることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
方向統計学を適用した機械学習の確立に時間を要したため, 複屈折像の温度変化を機械学習で解析するところまでは実施できなかった。そのため機械学習に適した測定装置のアップグレードも未実施のままである。しかし機械学習の開発に目処が立ったため, 次年度以降で挽回できると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
複屈折測定では, 試料の温度をゆっくりと変化させながら数千枚のイメージングデータを取得する。本研究で開発してきた方向統計学を適用したK-meansクラスタリング法では1枚の画像データしか解析できないため, 機械学習を用いた温度系列分析法の開発が必要となる。しかしこのような解析手法に関する報告はこれまでない。本研究では時系列分析法を参考にして, クラスタリングや1画素単位の温度依存データをベイズ推定で解析する手法を開発する。さらに解析手法の開発と平行して, 機械学習に適した測定手法の最適化も行う。
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Causes of Carryover |
方向統計学を適用した機械学習の確立に時間を要したため, 測定装置のアップグレードが十分に出来なかった。次年度の早い時期に装置改造にもとりかかる。
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