2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of Functional Thin Films with Ultra-Trace Doping by Powder Sputtering
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23K03373
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
大島 多美子 長崎大学, 工学研究科, 教授 (00370049)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | スパッタリング / 粉体ターゲット |
Outline of Annual Research Achievements |
材料粉末をそのままターゲットとして利用することで安価で容易且つ高速に成膜が可能な粉体スパッタリング法において、極微量ドーピングの機能性薄膜作製、粉体独自の制御因子による成膜プロセスの最適化と高品質薄膜作製を目的として、次の項目について明らかにする。①ドーピング材を含む混合粉体ターゲットの作製方法を確立する(1年目)。②粉体の混合比と作製した薄膜の組成比との関係を調べ極微量ドーピング技術の可能性を調査する(1-2年目)。③粉体独自の制御因子が作製した薄膜の特性やプラズマパラメーターに与える影響を調べ成膜プロセスの最適化と高品質薄膜の作製を行う(2-3年目)。 1年目(2023年度)は酸化亜鉛(ZnO)にAlやVをドーピングした透明導電酸化物薄膜の作製を行った。まず、混合粉体ターゲット作製方法を再検討し粒子の凝集や容器内壁への付着等を改善することができた。次に、作製した薄膜はEDXによる元素定量分析を行い粉体ターゲットにおけるAlやVの混合量との比較検討の結果、ZnO:V(VZO)薄膜はZnO:Al(AZO)薄膜に比べて膜中のO/Znが小さく酸素が不足していることがわかった。また、抵抗率はVZOがAZOよりも低くなったことより、ドーピング材として使用したV2O3粉体が酸素空孔の生成に寄与することが考えられる。実際に、VZO薄膜中のVはV2O3の混合量によらず殆ど膜中に含まれていなかった。一方、AZO薄膜中のAlは1.5~4.5at%が観測されドーピング材であるAl2O3の混合量に依存する傾向が確認された。最後に、AZO、AZO、AlとVを同時ドーピングしたZnO:Al&V(AVZO)薄膜の透明導電性を調査した結果、AVZO薄膜で可視光平均透過率が86%、抵抗率が2.83×10^-3Ω・cmの特性を示し、AZO、VZO薄膜に比べて特性の良い膜が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目(2023年度)に予定していた項目について、①混合粉体ターゲットの作製方法を改善し、②AZO、VZO、AVZO薄膜の元素定量分析や光学的・電気的特性評価の結果と粉体ターゲットの混合比の関係について有益な知見を得ることができ、2年目(2024年度)の項目を予定通り実施できる見通しが立ったことから、おおむね順調に進展しているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目(2024年度)は項目②と③に取り組む。②では作製した薄膜の元素定量分析にXPSを加えEDXと合わせてチェックを行う。また元素の組み合わせや混合比を系統的に変化させた粉体ターゲットを用いて、コンビナトリアル手法により1回のプロセスで複数通りの薄膜を作製し評価することで効率的な材料開発を行う。以上より、従来のイオン注入や熱拡散等の方法とは異なるドーピング技術として、ドーピング材料を含む粉体ターゲットを用い成膜中にドーピングが可能かを調査する。③では粉体独自の制御因子として、粉体は固体に比べて極めて大きな比表面積を持ちターゲットホルダーに充填した粉体には空隙も多いことから、粉体ターゲットに反応性ガスを直接導入(吹きかけるなど)し表面反応を利用した成膜プロセスの開発を行う。また電子温度やフラックスなどのプラズマパラメータを制御するために、印加電圧波形に関する検討を行う。以上より、作製した薄膜の特性やプラズマパラメーターを調査し成膜プロセスの最適化と高品質薄膜の作製を試みる。
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Causes of Carryover |
4,173円の次年度使用額が生じた理由は、消耗品の購入において様々なサイトを見比べてより安価な方を選んだためであり、今年度必要な物品は購入できている。4,173円は次年度の助成金と合わせて、次年度の研究遂行に必要なニトリル手袋など消耗品を購入するのに使用する計画である。
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[Presentation] Preparation of nickel nitride thin films using ammonia, nitrogen and nitric oxide gases by PLD method2023
Author(s)
T. Ohshima, H. Matsuo, Y. Noda, H. Kawasaki, Y. Hibino, T. Ihara, Y. Yagyu, T. Satake, Y. Matsuda, S. Aoqui
Organizer
2023 International Symposium on Dry Process
Int'l Joint Research
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