2023 Fiscal Year Research-status Report
Outbursts on magnetized neutron stars as a consequence of long-term evolution of magnetic fields
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23K03389
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
小嶌 康史 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 名誉教授 (10192577)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 高エネルギー天体現象 / 中性子星 / 磁場 / ブラックホール / 電磁流体力学 |
Outline of Annual Research Achievements |
マグネターと呼ばれる、大多数の中性子星のものより、磁場強度が2-3桁上回る天体が存在し、バースト現象などが起こす。逆に、表面の磁場強度は通常のものより弱い中性子星(Central Compact Object)が存在し、そのX線光度は異常に明るい。マグネター級の強い内部磁場が必要とされ、磁場消失に伴うジュール熱で説明される。強い磁場の時間進化はより短時間になり、星表面付近のクラスト(殻)部分に磁場のストレスが徐々に蓄積され、その歪みが固相の弾性限界を超えた時、突発的な構造変化が起きる。これまで、その過程を具体的に理論計算により探ってきた。 磁場形状の差により、突発的な構造変化に至る時間尺度や限界の蓄積エネルギーがどのようになるかを調べた。CCOのモデルで考えられているように、クラスト内部に閉じ込める形状では限界に至る時間は長くなり、CCOではバースト現象は見られないことを示唆する結果を得た。この内容は公表論文として発表した。 また、この数年間、クラスト(殻)部分の弾性力を考慮した、磁気中性子星の力学平衡を研究してきた。より一般的な状況として、クラスト内部のコア(芯)部分と中性子星表面でどの程度の磁場の変化が可能であるかを検討した。その変化が大きい場合、より大きな弾性力が必要になる。観測されているマグネターの歳差運動から、内部には2桁程度強い成分が必要と考えられるが、本研究の結果、その成分はクラスト部分には染み出ることなく内部に保持されている必要がある。この内容も公表論文として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は順調に進んだ。本年度に新たな研究交流も開始するとともに、学会や研究会で成果の報告ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
進展中の課題がいくつかあり、それを取りまとめる計画である。具体的には中性子星の殻部分の弾性応力が磁場の変動にいかに応答するか、温度分布の揺らぎから生じる、微小な星の歪みを検討している。その他に、研究会等で他の研究者との有意義な議論の機会を利用して、さらなる研究の発展を目指す。また、学会等の口頭での成果発表や公表論文を執筆する。
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Causes of Carryover |
本計画と内容が一部重複する、先行研究があり、その結果を利用したので、今年度は本研究の予算を使用せずに実施することができた。そのため、予算に繰り越しが生じたが、次年度以降は本研究の助成金のみとなるので、繰り越し分を補充することで、研究の進展に役立てる。国際会議での成果発表の旅費等に利用する。
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Research Products
(11 results)