2023 Fiscal Year Research-status Report
Novel Quark Model for Multi-Quark Systems
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23K03427
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
岡 眞 国立研究開発法人理化学研究所, 仁科加速器科学研究センター, 客員主管研究員 (60144606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
慈道 大介 東京工業大学, 理学院, 教授 (30402811)
WANG GuangJuan 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教 (30976311)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 量子色力学 / クォーク模型 / 閉じ込め |
Outline of Annual Research Achievements |
クォークを4個以上含むマルチクォークハドロンにおけるカラー閉込めの機構には未解明の部分があり、不定性がある。この不定性を解決するために、我々は量子色力学の原則に基づくストリングタイプの新しいクォーク閉込め描像を提案している。ストリングは線型ポテンシャルで表すが、異なるトポロジーのストリングの組み方は独立な自由度として扱うのが新しい描像の鍵である。この閉込め機構を様々なマルチクォーク系に適用して検証することで、それらの性質を統一的に理解するスキームを与えることを目標とする。 まず最初に、テトラチャーム系に適用する。テトラチャームは2個のチャームと2個の反チャームクォークからなるカラー1重項状態で、CERNのLHC加速器による実験でいくつかの共鳴状態があることがわかってきた。これらの状態と未発見の束縛状態を探索することが重要な課題となっている。新しい閉込め機構をテトラチャーム系へ適用する場合には、4個のクォークがすべて閉込めストリングで繋がれたHidden-Color(HC)の閉じ込め状態が新しく独立な自由度として現れることがわかる。この新しいHC自由度の役割と定性的な性質を議論した。さらに、現実のテトラチャームの共鳴状態を求めるために、複素スケーリング法を取り入れた変分法によって4体のシュレディンガー方程式を解いて、$J^{PC}=0^{++}$, $1^{+-}$, $2^{++}$の各状態について束縛状態と共鳴状態を求めた。これをLHCによって報告されている共鳴状態と比較して検証を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
関連論文をレフェリー付き論文(Physical Review D letterセクション)に発表したほか、国際会議の招待講演も行った。
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Strategy for Future Research Activity |
4体クォーク系のより現実的な系への適用の数値計算を行って、実験データとの詳細な解析を進める。また、5体系以上への拡張のためのじゅんびを進めていて、実際の計算へ進める。
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Causes of Carryover |
旅費をより有効に活用するために節約に努めた。次年度の国際会議等の出席および協力研究者の招聘などに充てる。
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